(※写真はイメージです/PIXTA)

相続には十人十色の事情があり、場合によっては家族や親族同士の関係を壊してしまうこともあります。そうした事態を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、現役僧侶兼行政書士兼終活カウンセラーの梅園浄氏のコラムを一部編集してお届けします。

 

戒名に使われる漢字の意味は?

戒名や法号、法名の構成については、先に説明した通りですが、ではそれらの意味はどのようなものなのでしょうか。

 

  • 院号

 

戒名の頭に「院号」を付ける場合がありますが、これはお寺や宗派などに貢献した人に授けられる場合が多く、最も高い位のものとなります。その人への感謝を表したものとなります。

 

  • 道号

 

これは、悟りを開いた者という意味で、戒名の二文字の前に付くものです。その人の人となりを表すものとして授けられる場合が多く、続く戒名の二文字と調和するような漢字が用いられる場合が多いようです。

 

  • 戒名

 

院号や道号、戒名、位号は、それら四つの構成をもって一般的には「戒名」と表されますが、道号の次に付けられるものが「戒名」であり、仏弟子となり仏門に入ったことを表すものとしてつけられる、仏の世界での名前という意味合いがあります。

授かる人の名前や人柄、好きなものや趣味、仕事など、その人の人生や背景などを考慮しながら授けられることが多いようです。

 

先にも説明した通り、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と言い表され、同じく仏弟子としての名前として授けられるものです。

 

浄土真宗の法名には漢字二文字の前に「釋」の漢字が必ず付けられます。これは、仏教を開かれたお釈迦様の弟子となり、仏の世界での名前として授かるものから「釋」の文字が付けられるのです。

 

  • 位号

 

戒名の四つの構成の中で、最後に付くものになりますが、性別や年齢などによって付けられる漢字が変わってくるもので「居士」や「大姉」などがこれに当たります。

位号を用いる宗派でも、地域の風習や習慣、寺院の風習などから用いないという場合もあるようです。

生前に戒名を付けてもらう方法・生前戒名授与式について

生前に戒名・法号を授かる方法として、菩提寺から授かるという方法が考えられます。法名の場合においては、浄土真宗の各宗派(本願寺派・大谷派など)の本山などで執り行われる「帰敬式」という式を受けることにより、生前に法名を授かることができます。どちらの授かり方も「菩提寺がある」ということが前提となります。

「菩提寺がない」という場合はどうしたらよいのか

ひとつは、自分の家の宗派を確認し、その宗派の寺院を自分で探して、その寺院の檀家となるという方法です。この場合、少し前までは、電話帳などで探すということしかできませんでしたが、現在はインターネットで探すということも可能となってきました。

 

もうひとつの方法として、自分の家の宗派の本山や、各都道府県などの宗派の支部(別院など)に相談して、寺院を紹介してもらうという方法があります。そのようなことに対応していない可能性もありますが、寺院を探している旨を伝え相談することで、様々な提案を受けることができることでしょう。

 

生前に戒名や法号、法名を授かる場合、宗派によって名称は違いますが、受戒の儀式や帰敬式などの儀式を受けることが必要となります。

 

このような儀式はいきなりその日に受けたいから受けられるというものではなく、菩提寺に相談しながら、手続きや日取りなど、様々なことを確認しながら、儀式の日を迎えることが必要となります。

 

宗派によって儀式の内容、段取りなどは違いますが、どの宗派の儀式も非常に厳かな雰囲気で執り行われるものです。そのような雰囲気の中で儀式を受けた人の中には、気持ちが引き締まり、毎日をまた大切に生活していきたいと決意を新たにされる人も多いようです。

 

次ページ生前に戒名を付けてもらう際の値段、注意点

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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