(※写真はイメージです/PIXTA)

「日本銀行」は、日本の中央銀行です。中央銀行とは、普段人々が利用している一般的な銀行とはまったくの別モノで、国の金融政策を担い、日本経済が強く、よりよくなるようにハンドリングをしています。本記事では、日銀に課せられた使命と役割について、経済評論家の塚崎公義氏が初心者にもわかるよう平易に解説します。

日本銀行は「中央銀行」…一般の銀行とは役割が違う!

日銀は、日本の中央銀行です。中央銀行というのは、政府が作った特殊な銀行です。日本の中央銀行は日本銀行、米国の中央銀行はFRB、というように、各国それぞれに中央銀行があります。

 

ドイツやフランスなどについては、ユーロという共通の通貨を使っているため事情が異なり、各国ではなくユーロを使っている国々全部で1つの中央銀行、欧州中央銀行(ECB)となっています。

 

福岡銀行や横浜銀行は普通の銀行ですが、名前が似ている日本銀行(英語名はBank of Japan)は中央銀行ですので、業務の内容がまったく違います。

 

余談ですが、米国にはBank of Americaという銀行があります。これは福岡銀行などと同様に、普通の銀行です。日銀と似た名前ですが、まったく違うので、注意が必要です。

 

福岡銀行等は、トヨタ自動車や日本製鉄などと同じように、株主が金儲けのために作った会社です。しかし、中央銀行は、金儲けのための会社ではありません。「日本経済がうまく回るように」ということだけを考えている銀行なのです。

 

日本経済がうまく回るために圧倒的に必要なのは、お金です。そこで、日銀は「日本銀行券」という紙幣を作っているわけですね。お金がないと、物々交換の世界になり、大変不便なことになりますから、これは大事です。

 

たとえば筆者は、経済に関する本などを書いて原稿料などを受け取り、居酒屋で酒を飲むわけですが、物々交換の世界では「経済を教えてあげるから酒を飲ませて下さい」と居酒屋に頼むことになります。それでは酒にありつけそうにありませんからね(笑)。

 

日銀は、日本銀行券を発行しているので「発券銀行」とも呼ばれています。また、政府や銀行から預金を預かる仕事もしていますので、「政府の銀行」「銀行の銀行」などとも呼ばれています。

 

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