(※画像はイメージです/PIXTA)

国は企業に対して「女性管理職の登用」の推進を提言していますが、そもそも女性登用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。世界ランキングにみる日本の現状とともに、みていきましょう。

「女性管理職のいる企業」と「いない企業」の差

企業が女性を管理職に登用することに、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

「女性役員比率の高い企業」は「女性役員がいない企業」と比べて、ROE(自己資本利益率)は7ポイントほど高く、EBITマージン(支払金利前税引前利益と売上高の比率)は6ポイントほど高いという研究結果があります。また「女性管理職のいる多様性のある組織」は「女性管理職がおらず多様性のない組織」と比べて「5年以上長期で勤続する予定」という従業員が40%以上も多いという調査結果もあり、人材流出防止につながることが証明されています。

 

一方で女性登用を前に、多くの課題が浮き彫りになっています。

 

●結婚・出産といったライフイベントを経験する前の社員において、管理職登用に対する漠然とした 不安感があり、女性社員が男性社員に比べて管理職への登用に対して消極的になってしまう(鉄鋼業)

●一部の業務において、ワークとライフとの両立が難しいことから、家庭を主に担う女性が昇進に躊躇し がちになる(サービス業)

●管理者や女性社員本人にまだアンコンシャスバイアスやインポスターシンドロ ームが 一部残っている(保険業)

 

出所:内閣府男女共同参画局『令和3年度女性の役員登用に関する課題と取組事例』より

 

このように、単にポジションを与えるだけでは不十分であることは明らかです。女性管理職を増やすためには、まず「ワークライフバランスのサポート」。どうしても家庭の負担は女性にかかりがちですから、産休・育児休暇、時短勤務などの各種制度の整備は不可欠です。また「産休や育休はキャリアにおいてマイナス」などとなると、せっかくの制度も意味がありません。公正な評価が受けられるよう、評価制度の見直しも必須です。

 

また管理職登用の基準が曖昧では、従業員本人が管理職を目指すことがなかなかできないもの。管理職昇格のためのスキルが明確であれば、人事をスムーズに進められるようになるでしょう。

 

女性の活躍によって企業風土は変わり、成長の原動力になっていく……女性管理職比率を上げることにはプラスの面しかない、といっても過言ではないのです。

 

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