(※写真はイメージです/PIXTA)

突然めまいを感じることはありませんか? 症状の種類によっては「脳卒中」が疑われる場合もあるので、たかがめまい、と放置せずに一度病院で診察を受ける必要があります。今回は、これまで海外での診療も含めて20年以上に渡り診療をしてきた馬車道木村耳鼻咽喉科クリニック院長・木村至信医師に、めまいはなぜ起こるのか、めまいにはどんな種類があるのか、また治療法・予防法などについて詳しく解説いただきます。

めまいの治療と予防法

耳鼻科ではめまい止めの薬や注射がメインの治療として行われます。エプリー法という理学療法が行われることもありますが、効果は人それぞれです。

 

突発性難聴は早期に治療が開始できれば、薬での治癒が期待できる場合が多いのですが、進行してからでは治りにくいため、早い段階で耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。入院してステロイドや血管拡張剤の点滴、高圧酸素療法を受ける選択肢もあります。メニエール病は繰り返し発作があり、完治が難しい病気ですが、利尿薬による治療、生活指導などによって症状を和らげることができます。

 

一方、脳卒中が原因の可能性がある場合は、一刻も早く専門の医療機関で診断を受け治療を受けてください!

 

内耳の病気によるめまいは、適度な運動が予防や再発防止につながります。体を動かしているほうが調整機能が活発になるからです。めまいが怖いからとじっとしてばかりいると、逆に改善のチャンスを失います。そして閉じこもるようになり、心の闇へと続くのです。

 

私はいつも「治療していれば、普通に生活して大丈夫」とお伝えしています。怖がっていても、引きこもっても、普通に生活しても、発作はおきるときにはおきます。だからこそ治療をしながら、普通に暮らすことが大事なのです。ただし無理のしすぎはいけません。そこを会社に理解してもらえるように、必要な時には診断書を出したりしています。

 

また、いざ発作の時に内服するお守り薬や対処法もお伝えしています。改善がなければ脳神経外科にも相談しましょう。このタイミングでの脳内スクリーニングは、人間ドックより意義のあるものになると思います。

 

まずは、たかがめまいと、放置しないでくださいね。このくらいなんとかなる、と我慢や無理を続けないでください。今のあなたを守り、生活を守ることが、仕事においても結果として良い方向に向かうことになると信じています。

 

木村 至信

馬車道木村耳鼻咽喉科クリニック 院長

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