意外と知らない「定年後の収入」
急激な円安、物価高が国民生活を直撃していますが、岸田政権は何の対策も打とうとしません。
一方で、追い打ちをかけるような高齢者イジメは連発しています。年金生活者はすでに今年の6月に受け取る年金(4月、5月分)から前年度比0.4%削減されています。75歳以上の医療費についても今年10月から一部の窓口負担で1割から2割にアップしました。
さらに厚生労働省は75歳以上の保険料アップを検討していて、来年の通常国会での関連法案の提出を目指しています。介護保険の負担増と給付削減も検討しているといいます。
安定した、豊かな老後生活を送るためには経済的な安定が欠かせません。
現在、定年後の就業者はどの程度の収入を得ているのでしょうか。また、将来、自分たちが定年後どのくらいの収入を得ることができるのでしょうか。統計データから現実を見ていきましょう。
国税庁「民間給与実態統計調査」(令和3年分)によると、2021年の給与所得者の平均年収は443万円となっています。この調査では、国内で働くすべての給与所得者が含まれていて、フルタイムで働く正社員からパート労働者なども含まれています。
給与所得者の平均年収は20~24歳の269万円、25~29歳の371万円と年齢を重ねるごとに右肩上がりで上昇し、ピークを迎えるのは55~59歳の529万円となります。そして多くの人が定年を迎える60歳以降は、給与は大きく減少していきます。
平均年間給与所得は60~64歳は423万円、65~69歳は338万円、70歳以降は300万円まで下がります。
現在の年齢区分で比較可能な最も古い2007年の平均年収は60~64歳は401万円、65~69歳は328万円、70歳以降は348万円。
ちなみにこの民間給与実態統計調査が集計しているのは、民間給与所得者でかつ1年間を通して就業している人の平均値です。