(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年も残り2ヵ月を切り、年末調整・確定申告が気になる季節になりました。所得税・住民税には「所得控除」「税額控除」等、数々の税制優遇があります。しかし、それらの多くは、自分から申告しない限り受けられないので、知らないうちに損しているケースがかなり多く見受けられます。ただし、そういう場合でも過去5年にわたって遡って取り返せる制度があります。「更正の請求」です。

◆生命保険料控除

生命保険料控除は、生命保険や医療系の保険等の保険料を支払ったら、その一部について所得控除を受けられるものです。以下の3種類があります。

 

・一般生命保険料控除:生命保険(死亡保険)一般が対象

・介護医療保険料控除:医療保険、がん保険、働けなくなったときの保険等が対象

・個人年金保険料控除:個人年金保険が対象

 

保険会社から「控除証明書」が送られてくるので、それを年末調整の書類または確定申告書に添付すればよいのですが、ありがちなのが、控除証明書を紛失したまま申告しなかったというケースです。

 

保険会社によっては控除証明書に代わる証明書を発行してくれることがありますので、過去にそういった不申告があった場合は、更正の請求を利用することをおすすめします。

 

◆ひとり親控除・寡婦控除

ひとり親控除とは、「ひとり親」であれば35万円の所得控除を受けられる制度です。婚姻歴の有無に関係なく、以下の要件をみたせば35万円を受け取ることができます。

 

・婚姻をしていない、あるいは配偶者の生死が不明

・生計を一(いつ)にする子がいる

・子の所得の合計額が48万円以下

・合計所得金額が500万円以下

・誰かと事実婚の関係にない

 

かつては、ひとり親を対象とする制度には「寡婦控除」「寡夫控除」の制度がありましたが、いずれも配偶者と離婚あるいは死別したことを要件としていました。しかし、それでは婚姻歴がないひとり親に酷だということで、2020に婚姻歴の有無を問わない「ひとり親控除」が創設されました。なお、「寡婦控除」は、子以外の親族を養う場合を想定した制度として残されました。

まとめ

何らかの理由によって税金を払いすぎてしまった場合、「更正の請求」の手続きをすることで、払いすぎていた税金額について還付を受けることができます。

 

更正の請求書は国税庁HPで簡単に作成でき、還付の額まで算出することができます。

 

もし所得控除等の申告を忘れてしまった場合でも、更正の請求は5年前まで遡って行えますので、思い当たることがあれば、ぜひ、活用してください。

 

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