お金に困らないためには、お金を「上手に稼ぐ」・「減らさない工夫をする」・「賢く貯める」という3つの柱が重要であると、企業経営コンサルティングを行う、(株)プレジデンツビジョンの代表取締役・石原尚幸氏は指摘します。3つの柱を実践するうえで身につけるべき考え方、方法について著書『父が子に伝える 13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方』から、親と子どもの対話形式で、分かりやすく解説します。
お金で時間は買える
「自分でやる」もしくは「外注する」どっちが得?
こんなケースも考えてみよう。
たとえば、ある商品を売りたいと思っている人がいたとする。そのときに、みんなに自分の商品を知ってもらうためにチラシをつくろうと思いついた。チラシがあれば、みんなに自分の商品のよさや店舗の場所、値段なんかもお知らせできるからね。
そこで、そのチラシをつくるにあたり、2つのパターンを考えた。
パターン①自分でチラシをつくる(かかるお金はインク代の100円のみ)。
パターン②プロの印刷屋さんにチラシづくりをお願いする(かかるお金は1万円)。
さて、君ならどっちのパターンを選ぶか?
「そんなの決まってるよ。自分でつくれば100円で済む。プロの人に頼むと1万円もかかるから、当然、パターン①のほうが安くつくじゃん」
だよね。普通に考えれば、多くの人が君と同じようにパターン①を選ぶ。
でも、こう考えてみたらどうだろう。
自分でチラシをつくるのには3日かかるとする。プロに頼めば、この3日間の時間は自由に使えることになる。この3日間で、みんなに直接会って、自分の売りたい商品を宣伝すれば何個か売れるかもしれないし、チラシ以外にも、商品の魅力をアピールするためのアイデアが出せるかもしれない―。
プロにお金を払い仕事を依頼することで、支払った以上の価値を自分が創り出せるなら、プロに頼んだほうがお金を稼ぐことができる。
費用というコスト、時間というコストを比較する
この時間というコストは目に見えないし、お金に換算できないので、ついつい見落としがちになる。
ただ、人に与えられる時間は平等に24時間しかなく、この限られた24時間をどこに使うかが自分の将来を決めていく。これだけは間違いない。
お金を減らさないために安いものを買うことはいいことだ。でも、その安いものを買うために大切な時間を浪費してはいけない。
お金を減らさないために安いものを買おうと思ったときは、そのために大切な時間を失ってしまわないだろうか、それは自分にとってプラスになる節約なのだろうか、ということをよく考える必要がある。
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
1973年、愛知県名古屋市生まれ。
コーヒー卸商「石原珈琲商会」の三男として育つ。幼少の頃から父の配達についていき、「明日の売上がなかったら、お前の目の前のごはんは食べられないんだぞ」と言葉をかけられていたのが、商売の原点。上智大学経済学部経営学科卒業後、大手石油元売に入社。日本一ガソリン代が安い激戦区に担当営業として赴任。赤字となってしまった大手特約店にて、2年間で3億円のV字回復を実現したことが評価され、31歳で社長賞を受賞。34歳で独立起業後は、現場で培った経営ノウハウにファイナンシャルプランナー資格(1級FP技能士)、MBA修得で得た知見も併せ、成果にコミットするV字回復メソッドを体系化。「売上に偶然はあるが、利益に偶然はない」という理念のもと、社外にいるものの、社長の傍らに寄り添う「社外参謀」としてクライアントのビジョン実現へ邁進している。直近では「父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方」を上梓し、お金と賢く付き合うやり方と考え方をわかりやすく伝える活動も行っている。
【公式サイト】
株式会社プレジデンツビジョン:https://presidents-vision.com/
ジャパンコンサルティングファーム株式会社:http://www.japan-cf.com/
【資格等】
・1級FP技能士
・ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA(経営管理修士・専門職)
【主催する団体】
・ジャパンコンサルティングファーム(株) 代表取締役会長
・五つ星★メンバーシップ 主宰
【著書】
『社長!お金は「ここだけ」押さえれば会社は潰れない〜2枚のシートで利益とキャッシュを確実に残す!(ダイヤモンド社)』
『父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方(三笠書房)』
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連載子どもに伝えたい!お金に一生困らない3つの考え方