みんなと真反対に賭けられるか?
Q:「逆張り」はどのようにすればいいのでしょうか?
A:投資家心理は、第1には、多数決の原理が影響しています。
相場は美人投票と同じです。多数決の原理が働いて、みんなが「いい」と思った株が上がります。そしてみんなが賛成の方向にまず走る。これが投資家心理です。しかし、投資家心理には、また非多数決の原理というものもあるのです。その典型が、投資家心理の極意とも言える逆張りです。
みんなと真反対に賭ける。
これができるかどうか。リーマン・ショックやチャイナ・ショックが起これば、その動きをいち早く察知して撤退すべきです。これは当たり前で、問題はその動きをいかに事前に察知するかです。ここが勝負の分かれ目になる。
まだみんなが過熱している時に、いち早く撤退する。この瞬間が逆張りです。しかし逆張りするには、筆者が活用している波動の勉強をしていないとできません。そしてこれができるようになれば、逆張りのシグナルを知って、ワンランクアップの投資家になれます。
暴落時こそ絶好の買い場
過去の相場のパフォーマンスを調べると誰でも分かることなのですが、リーマンショックのような大暴落が起きても、長期的に見ると、その時は常に絶好の買い場となっているということです。このことをよく覚えておいてください。
ショックの時が、実は絶好の買い場なのです。下落局面でどこで底入れするかを判断するのは、至難の業ですが、暴落の時に買ってこそ投資では成功できます。これが逆張りの精神の真髄です。
売るのであれば、ショックが起きた初期に売らないといけません。「今日、売ろう」では遅過ぎる。もう次の買い場が近づいているかもしれません。「天井近くの好材料は売り!」という相場格言を実行できれば、あなたは名人級の投資家です。
このように、スガシタ式投資法の基本は、
・みんなが青ざめて売る時は、買いチャンス
・誰もが買いという時は売りのタイミング
なのです。この逆張りの精神を常に持つことこそが、スガシタ式投資法の極意です。もちろん言うは易く行うは難しです。
一流メディアの超悲観的な記事は買いのチャンス!?
本書『株とチャートでお金持ちになる!』ではまず、酒田五法の基本形を知って、買いの形、売りの形を会得して実践に活用できるようにしてあります。しかし本を読んだだけでは活用できないので、知識プラス投資の体験をして、投資家心理を学ばなくてはなりません。この積み重ねによって、レベルがだんだんと上がっていきます。
そして投資の極意、スガシタ式投資法によって、逆張りを心がける。
メディアやマスコミが悲観的なら、買いのチャンス。楽観的なら売りのタイミングが近づいているシグナル。そう考えるのです。また、メディアやマスコミだけでなく、あなた自身の日常生活の中にもヒントが潜んでいます。日頃株式に関心のないような人々まで株価の話をする。そんな時には、市場が熱くなっていることが多いのです。
【図表】スガシタ式「投資の基本」
典型的な例がウォール街のエピソードとして残っています。
1929年の暗黒の木曜日、恐慌相場の直前、ある著名な投資家が街角で靴を磨いたところ、靴磨きの少年まで株で儲かったという話をしたのを聞いて、世紀の大暴落を察知。ただちに全株を売却して、難を逃れたというのです。
また、世界株式市場の大底だった1982年夏、アメリカの株式市場は8月から10月に大暴落、大底でした。その時、「ウォールストリート・ジャーナル」がある特集を組んだ。タイトルは、「ウォール街は死んだ」です。
メディアから出た、典型的な悲観論の登場でした。これが、実は、米国の株価の大底を知らせるサインだったのです。事実、相場はその後一気に上がり始めました。繰り返しますが、一流のメディアが超悲観的な記事を書き出したら、買いのチャンスです。