岸田総理の目玉政策「賃上げ税制」7割の企業は無関係…それでも高まる「賃上げ圧力」に中小企業の悲鳴

岸田総理の目玉政策「賃上げ税制」7割の企業は無関係…それでも高まる「賃上げ圧力」に中小企業の悲鳴
(※画像はイメージです/PIXTA)

天井の見えない物価高に、従業員から賃上げの要望が高まり、企業側としても「賃上げせざるを得ない」という状況に置かれています。賃上げに関しては優遇制度もあり、国も後押し。しかしそれ以上に、中小企業は厳しい経営環境に置かれています。みていきましょう。

資源高が中小企業を直撃…それでも賃上げの切実

大企業と中小企業で仕組みは異なりますが、賃上げ分の一部を税負担軽減に充てられる賃上げ税制。ただ法人税を払っていない企業は、中小企業を中心に7割に上りますから、多くの企業にとってこの制度は無関係ともいえます。

 

それでもなお、賃上げの予定企業が8割に上るのは、昨今の物価高騰による従業員からの切実な賃上げの要望にあります。物価高の影響は二人以上世帯で年間10万円という試算もあるので、本当に切実です。このような状況下、優秀な人材をつなぎとめるためには、「賃上げも待ったなし」という企業が相次いでいるのです。

 

ただ企業の業績が好調かといえば、急激な円安などを背景に「厳しい」というところが多いのが実情。本来、賃上げと業績は一致していることが理想ですが、いまは不一致のなかで賃上げ圧力が高まっているという状況。賃上げの原資が不足する可能性が指摘され、無理な賃上げが経営に悪影響を及ぼす懸念も。

 

中小機構『第169回(2022年7-9月期)中小企業景況調査』によると、中小企業の業況判断DIは、前期(2022年4-6月期)より5.1ポイント減の▲19.5と2期ぶりに低下。一方で、全産業の「原材料・商品仕入単価DI」は、前期比3.2ポイント増の70.6と、調査開始の1980年以来、最高値を記録。円安による資源高が、中小企業経営を直撃しています。

 

人材確保か、それとも業績回復か。中小企業の経営者にとって、難しい舵取りになりそうです。

 

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