(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年も残すところ2ヵ月半を切り、納税申告の時期が近づいてきました。そんななか、新型コロナウイルス感染症にかかって治療を受けたり、PCR検査を受けたりした場合に、「医療費控除」の適用を受けられることがあります。本記事は、医療費控除の基本的なしくみと、新型コロナウイルスに関連して医療費控除を受けられる範囲について解説します。

新型コロナウイルス感染症に関して医療費控除を受けられる費用は?

新型コロナウイルス感染症の治療費は基本的に公費負担となっているため無料です。

 

また、マスクの購入費用など、「予防」のために支出したものは、治療目的ではないため、医療費控除の対象となりません。

 

医療費控除の適用が問題となるのは以下の費用です(国税庁HP「新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係」参照)。

 

・PCR検査の費用

・オンライン診療を受けた場合の費用

 

それぞれについて説明します。

 

◆PCR検査の費用

(1)医師等の判断でPCR検査を受けた場合

まず、医師等の判断により、新型コロナウイルス感染症にかかっている疑いがあるということでPCR検査を受けた場合は、医師等による診療や治療のために支払ったものなので、医療費控除の対象となります。なお、対象となるのは自己負担部分に限ります。

(2)自己判断でPCR検査を受けた場合

これに対し、医師の指示等によらず自己の判断でPCR検査を受けた場合は、原則として医療費控除の対象となりません。

 

ただし、自己判断でPCR検査を受けた場合であっても、結果として陽性であることが判明して医師の治療を受けた場合は、医療費控除の対象となります。なぜなら、この場合は、治療に先立って診察を受けたのと実質的に変わらないからです。

 

◆オンライン診療を受けた場合の費用

次に、オンライン診療を受けた場合、対面での治療を受ける場合と異なり、以下の費用が余計にかかることがあります。

 

(1)オンライン診療料

(2)オンラインシステム利用料

(3)処方された医薬品の購入費用

(4)処方された医薬品の配送料

 

それぞれの扱いは以下の通りです。

 

(1)オンライン診療料

オンライン診療料のうち、医師等による診察や治療のために支払った費用であれば、医療費控除の対象となります。

 

(2)オンラインシステム利用料

オンライン診療を受けるのに直接必要な費用といえるので、医療費控除の対象となります。

 

(3)処方された医薬品の購入費用

その医薬品が、治療または療養に必要なものであれば、医療費控除の対象となります。

 

(4)処方された医薬品の配送料

配送料は、治療または療養に直接必要な費用とはいえませんので、医療費控除の対象となりません。

 

まとめ

このように、新型コロナウイルス感染症に関連して治療費等を支出した方は医療費控除を受けられることがあります。本記事で紹介した内容を確認のうえ、対象となるようであれば、ぜひ、忘れずに確定申告を行うようにしてください。

 

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