(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年も残すところあと2ヵ月半を切りました。「年末調整」「確定申告」が気になるところです。所得税・住民税にはさまざまな「控除」の制度があり、知らないばかりに活用できず損してしまっていることもしばしばです。そこで、本記事ではそういう「控除」の制度の一つで、最近改正されて利用しやすくなった「セルフメディケーション税制」について解説します。

セルフメディケーション税制とは

セルフメディケーション税制は、「医療費控除」の制度の一つです。

 

医療費控除は医療機関の薬局等で「スイッチOTC医薬品」等を購入した場合に、その購入費用のうち1万2,000円を超えた額について、「所得控除」を受けられるというものです。

 

◆スイッチOTC医薬品とは

「スイッチOTC医薬品」は、本来医療用として用いられていたものが転用されたものです。

 

たとえば、頭痛薬や湿布等で有名な「ロキソニン」は、もともと医療機関で使用されていたのが、2010年に「スイッチOTC医薬品」として承認され市販されるようになったものです。

 

「スイッチOTC医薬品」かどうかは、その医薬品のパッケージを見れば「セルフメディケーション 税 控除対象」の記載のある「共通識別マーク」があるので、すぐにそれと分かります。また、レシートにも「★」などで印字されることになっています。

 

さらに、厚生労働省HPで「対象品目」を確認することもできます。ここに掲載されているリストによれば、2022年10月1日現在、スイッチOTC医薬品は2,659品目あります。

 

なお、対象となっている有効成分は91種類です(2021年12月27日時点)。

 

また、2022年から、一部の「非スイッチOTC医薬品」も対象に加わりました。

 

◆セルフメディケーション税制に込められた国のメッセージ

セルフメディケーション税制は、「スイッチOTC医薬品」等について、医療機関を通じて処方された場合も、そうでない場合も、等しく控除を受けられる制度ということができます。

 

また、一方で、国からのメッセージというか圧力を見てとることもできます。

 

すなわち、高齢化の進行に伴い国の医療費の負担が増大するなか、国民に対し、できるだけ医療機関を利用せず自分で健康管理をしてほしいというメッセージが発せられていると考えることもできるのです。

セルフメディケーション税制を利用する条件

セルフメディケーション税制を利用するには条件があります。「健康のための一定の取組」として、一定の要件をみたす健康診断または予防接種を受け、その証明書を提出しなければなりません。対象となる健康診断または予防接種は以下の5種類です。

 

  1. インフルエンザの予防接種
  2. 市区町村のがん検診
  3. 職場の定期健康診断
  4. 特定健康診査(メタボ検診)
  5. 人間ドックやがん検診等の各種健診

 

これらを受けていれば、日ごろから健康維持・増進の取り組みをしているとみなされるのです。

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