(※写真はイメージです/PIXTA)

超高齢化社会の日本。「悠々自適な老後」を送れる人はひと握りで、多くの高齢者は少なからず自身の将来に不安を抱いています。ただ、牧野FP事務所合同会社の代表社員である牧野寿和氏は、国の制度を知ることで将来の不安を低減できるといいます。今回、ひとり暮らしのKさん(70歳・女性)の事例から、日本の高齢者がおかれている厳しい現実と、そのような人を救うための国の「セーフティネット」の存在をみていきましょう。

将来は、生き地獄が待っている?

Kさんは、福祉事務所の担当者から、専門用語を使うことなく、かみ砕いた言葉でわかりやすく、生活保護制度について教えてもらいました。

 

Kさんは、まず生活保護制度は、ありとあらゆる自助努力した末に適用される制度だと知りました。そして、「保護費」が次の①②のように支給されることを知りました。

 

①厚生労働大臣が定める基準で地域や世帯の状況によっても異なる「最低生活費」と年金などの「収入」を比較して、「収入」が、「最低生活費」に満たない分を、「保護費」として支給される制度であること

 

②「保護費」には、食費・被服費・光熱費といった日常生活に必要な費用、アパートなどの家賃(家賃の上限が決められるので入居できる物件が限られる)、医療や介護サービスの費用(詳細は省略するが、国民健康保険・介護保険の保険料の本人負担はない)などが含まれること

 

厚生労働省HP「生活保護制度」より
[図表3]支給される保護費 厚生労働省HP「生活保護制度」より

 

参考:厚生労働省HP「生活保護制度」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html

 

現在のKさんの家計を当てはめると、図表4のようなイメージになります。

 

[図表4]Kさんの家計を生活保護制度に当てはめたイメージ

 

Kさんにとって、生活保護の制度は、一見魅力的にも思えました。しかし、現状では、年金とアルバイト収入が「最低生活費」を超えている。しかも高額の貯蓄があり、生活保護制度の対象にはならないとのことでした。

 

なお、参考として、もし生活保護を受けるなら、いまKさんが住んでいるアパートの家賃は、「保護費」の対象になる金額とのことでした。

 

また、Kさんは、福祉事務所の担当者から、将来、万が一お金を借りることが必要になった時のために、低所得者や高齢者など向けの「生活福祉資金貸付制度」についても説明も受けました。しかし、Kさんはいままで一度もお金を借りたことはなく、またこれからもお金を借りる気もありません。

 

参考:厚生労働省HP「生活福祉資金貸付制度」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1/index.html

 

Kさんは、軽い気持ちで話を聞きに福祉事務所に行ったのでした。しかし、帰る道すがら、目先の小売物価がどんどん上昇しているのに、これ以上収入は増やすことはできない。貯蓄も目減りしていく一方。人のことはいいたくはないけど、なぜ、私より収入も貯蓄も少ない人の方が、生活保護が受けられるの? 私は、「死ぬまで抜け出せない」生き地獄……。Kさんは悲しくなってしまったのでした。

 

次ページでも、Kさんは「安心」できたワケ

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