「悠々自適な老後」がどれだけ難しいか
総務省「国勢調査」就業率の調査結果(2020年)によると、日本の70歳女性の29.4%、およそ3人に1人は働いています。
また、2019年の厚労省「国民生活基礎調査の概況」では、70~74歳の女性のうち19.5%、およそ5人に1人は、単身で暮らしています。
この調査結果を知った、あるひとり暮らしの70歳の女性は、「これは私のこと。生涯働かないと生きていけないのかな?」と、将来が不安になってしまいました。しかし、あることをきっかけに「安心」して生活できるように変わったのです。
将来が不安…ひとり暮らしのKさん70歳(女性)
Kさんは、現在70歳の女性です。長年、賃貸アパートにひとりで暮らしています。Kさんは、アパートの大家さんとよく立ち話をしていました。いつごろからか持病を抱えていて、これから先の生活が不安。とも話すようになっていました。
Kさんの現在の家計は図表1の通りです。
Kさんは、これまで主に個人経営の店舗に勤め、そのうち数年会社勤めをした分、年金は老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取っています。また貯蓄は、若いときからひとりで暮らすことを決めていたので、お金を貯めることに心がけていました。
毎月の家計収支は、支出の多かった月はその分貯蓄を取崩しています。しかし収支のバランスはよく、いまでも貯蓄を増やすこともできる節約家です。それは、[図表2]の統計値と比較しても明確です。
そんなある日のことでした。大家さんがKさんに、別のアパートに入居して生活保護を受けている人の話を始めました。Kさんは、自分が生活保護を受けるなんてとんでもない。年金とアルバイトの収入があり、いますぐ生活保護を受けることは考えられませんでした。
また、生活保護の相談、申請の窓口があるのは地元の福祉事務所です。しかしこの窓口で以前職場の同僚が、不愛想な対応をされた話も聞いたこともあり、あまり気乗りはしなかったのです。
しかし、持病も抱えており、将来のことも考えて、次第に話だけでも聞いてみようと思いはじめたのです。そして、地元の福祉事務所に出かけたのでした。
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