フィリピン中央銀行…0.5%追加利上げへ
9月23日にフィリピン中央銀行(BSP)は、高いインフレ予測の中で、政策金利を0.5%引き上げました。これにより、overnight depositとlending facilitiesの金利がそれぞれ3.75%と4.55%まで引き上げられました。昨年5月に利上げを開始して以来、BSPは政策金利を史上最低の2%から4回、合計2.25ポイント引き上げました。
BSP副総裁のフランシスコ・ダキラ・ジュニア氏は記者会見で、通年の平均インフレ率は以前の予測よりも高くなると予想され、昨年8月に予測された5.4%から現在は5.6%に引き上げたと述べました。金融引き締めが始まって以来、この予測は、5月の4.6%、6月の5%から、その後のBSP政策決定会議ごとに引き上げられています。
また、2023年のインフレ予測も上昇しています。8月に予測された4%から、来年の平均は現在4.1%に達し、BSPのインフレターゲットである2%から4%の上限を超えると予想されています。
政策金利が高くなると、消費者が住宅の購入や車の購入などに利用するローン金利も上がり、より多くの支出が必要となります。これにより、他の消費活動へ振り向けるお金が減少します。あるいは、新しい家や車を購入する意欲が削がれることになり、高額商品の需要が減少することを意味します。
今般承認された最低賃金と交通運賃の値上げ、そして天候の乱れの影響による食料品価格特に砂糖価格の上昇と、インフレが予測より高くなる可能性があります。
BSPの決定は、米国連邦準備制度理事会が3回連続で政策金利を0.75bpt引き上げるという動きからわずか13時間後に発表されました。一方で、ING Bankのシニアフィリピンエコノミスト、Nicholas Mapa氏は、「フィリピン経済の基礎体力は強いため、フィリピン経済はインフレ率の上昇、金利の上昇、政府債務の増加という三重の脅威から打撃を受けるものの、成長を維持するであろう」と述べています。
BSPの最新データによると、同国の大手銀行による融資の増加は活発なペースで続いており、6月のデータと同じペースで、7月には12%増加しています。資金の振り向け先で最も大きいのが、不動産セクター、続いて製造業、卸売業、小売業と続きます。クレジットカード決済、自動車購入、給与の前借りなどの消費者ローンの伸びは、6月の11%から7月には15%に達しました。BSPは以前、銀行貸出と流動性の持続的な成長が経済活動と内需の回復を後押しすると述べています。