特売物件にはビジネスチャンス創出の可能性も
良い物件は、なかなか落札できないようになってきました。競売ビジネスを成功するためには、一工夫も二工夫も必要な時代になりました。そこで、特売物件にも目を向けてみることを、お勧めします。
特売物件のような売れ残りに良い物件はないのでは、という声が聞こえます。確かに売れ残りではありますが、物件によっては、取組み方でビジネスチャンスを創出できることがあります。
かつて、筆者の扱った特売物件で、自己啓発(?)セミナー開催を業とする会社が業績好調時にたっぷりお金をかけて作った、セミナー施設がありました。立地は至便で良かったものの、大きな吹き抜けといくつかのセミナーホールからなるその建物は、強烈な個性のため、通常のさまざまの用法にはなかなか転用できず、入札者が現われなかった物件でした。
そんなある日、筆者の関係者からセミナー運営会社が(といっても今度は理工系の堅い会社でしたが)、業績進展によりセミナー会場確保が難しくなったため自社保有用のセミナービルを求めているとの情報が入り、先の物件を当該会社の社長さんに紹介したところ、すっかり気に入られ、入札することとなりました。まさに特殊用途の物件が、特殊用途の買主にはまった好例でした。物件情報を管理していなければ、この物件流通は起こらなかったといえます。
「国が地主」の借地権付物件は狙い目
また、借地権付建物が競売市場には一般市場に比較して多いのですが、借地権付建物は安く入手できる場合が多いのですが、地主さんの譲渡承諾を必要とします。現実には多くのケースで、この地主さんとの譲渡承諾で揉めてしまいます。
ただし地主が国である場合は別です。事前におおよその譲渡承諾料の額を教えてくれますし、名義変更後は底地自体の売却にも応じてくれます。国が地主の借地権付物件は狙い目物件の一つでしょう。