今回は、競売ビジネスで注目したい「特売物件」「借地権付建物」について見ていきます。※本連載は、株式会社ワイズ不動産投資顧問の代表取締役・山田純男氏、弁護士・竹本裕美氏の共著、『プロが教える競売不動産上手な入手法』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、不動産を格安で手に入れることができる、簡単・安心な競売のノウハウをご紹介していきます。

特売物件にはビジネスチャンス創出の可能性も

良い物件は、なかなか落札できないようになってきました。競売ビジネスを成功するためには、一工夫も二工夫も必要な時代になりました。そこで、特売物件にも目を向けてみることを、お勧めします。

 

特売物件のような売れ残りに良い物件はないのでは、という声が聞こえます。確かに売れ残りではありますが、物件によっては、取組み方でビジネスチャンスを創出できることがあります。

 

かつて、筆者の扱った特売物件で、自己啓発(?)セミナー開催を業とする会社が業績好調時にたっぷりお金をかけて作った、セミナー施設がありました。立地は至便で良かったものの、大きな吹き抜けといくつかのセミナーホールからなるその建物は、強烈な個性のため、通常のさまざまの用法にはなかなか転用できず、入札者が現われなかった物件でした。

 

そんなある日、筆者の関係者からセミナー運営会社が(といっても今度は理工系の堅い会社でしたが)、業績進展によりセミナー会場確保が難しくなったため自社保有用のセミナービルを求めているとの情報が入り、先の物件を当該会社の社長さんに紹介したところ、すっかり気に入られ、入札することとなりました。まさに特殊用途の物件が、特殊用途の買主にはまった好例でした。物件情報を管理していなければ、この物件流通は起こらなかったといえます。

「国が地主」の借地権付物件は狙い目

また、借地権付建物が競売市場には一般市場に比較して多いのですが、借地権付建物は安く入手できる場合が多いのですが、地主さんの譲渡承諾を必要とします。現実には多くのケースで、この地主さんとの譲渡承諾で揉めてしまいます。

 

ただし地主が国である場合は別です。事前におおよその譲渡承諾料の額を教えてくれますし、名義変更後は底地自体の売却にも応じてくれます。国が地主の借地権付物件は狙い目物件の一つでしょう。

本連載は、2015年3月7日刊行の書籍『プロが教える競売不動産の上手な入手法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

プロが教える競売不動産の上手な入手法(改訂第11版)

プロが教える競売不動産の上手な入手法(改訂第11版)

山田 純男,竹本 裕美

週刊住宅新聞社

裁判所の競売不動産には、優良物件が多く眠っています。安くてよい不動産を安全に手に入れるチャンスは、誰にでもあります。本書は、入札手続から落札までを時系列で追い、手続書類の書き方や具体的なケーススタディをふんだん…

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