売却、民泊転用など「複数の出口戦略」でリスク分散
「これからレンタルスペース投資が盛り上がるのはわかった。しかし、ブームはいつか去るもの。そのような時に備えていた方がいいのでは?」
そういう疑問はもっともです。
レンタルスペース投資は民泊の時間貸しのような投資方法ですが、その民泊も市場が過熱してきた時に運営面でいくつか問題が出て、規制が入り、さほど収益を上げられなくなったオーナーがたくさんいました。
それと同じようにレンタルスペース投資も、ブームの終焉がくることは間違いないと思います。そして、今からそれに備えておくことが大切です。
そういった意味で、売却や民泊転用など複数の出口戦略を描いておく必要があるのです。
私はコロナ禍で県外への移動の規制、外出自粛、感染リスクの高まりなどの影響があり、ショッピングやカラオケ、飲み会にきていたお客様が、少人数でソーシャルディスタンスを保って楽しめるレンタルスペースに来ていたと考えています。
そして、海外からのお客様が減ったこともあり、民泊の利用者数の落ち込み幅はかなり高く、2020年度の宿泊者数は114万2973人で19年度から77%も減りました(山陰中央新報デジタル 『民泊住宅減少続く 五輪期待の訪日客消失』https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/79202 2021年8月15日)。
しかし、今後コロナが終わり、レジャーができるようになれば、そして、外国人が観光目的で来日できるようになれば、民泊のニーズは確実に再浮上するはずです。
また、今後はレンタルスペースの市場が成熟してしまって、レンタルスペースが供給過多になる可能性もあります。競合、ライバルのスペースが増えてしまってなかなか収益が上がらなくなる可能性もあります。
それらを見越して、レンタルスペースから民泊用に部屋を転用できるよう、用意しておくという考え方もあると考えています。
また、それとは別にオーナー権を売ることもできるのがレンタルスペース投資です。
実際レンタルスペースの物件運営権を売っているサイトもあり、そこでの売却も見越しておくと良いでしょう。
たとえば、TRANBIというサイトがあります。
そこで、だいたい1〜2年間の収益分で値付けをして売却するということも方法の一つではあります。
たとえば、1ヶ月に10万円の収益が出ていたのであれば、120万〜240万円で売却するなどです。その際はインテリア、壁紙などはそのままに譲り渡せるので、相手方も運用を簡単に引き継げるメリットがあります。
万が一「レンタルスペース投資」を始めてみたものの、ブームが運用して3年くらいで終わってしまっても、こうした出口戦略を描いていると、リスクを抑えることができますし、不安感も減らせます。
坂口 康司(著)
株式会社トータルクリエイツ 代表取締役
一般社団法人シェアリングエコノミー協会 第三期アンバサダー
小泉 直弥(監修)
株式会社スペースモール 代表取締役
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