インフレ・成長鈍化・戦争…2022年上半期、世界のM&A市場が受けた影響は?【世界のM&A最新動向】 (※写真はイメージです/PIXTA)

収束の兆しが見えないパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻、インフレ懸念など、政治経済面で多くの不安材料があった2022年上半期ですが、世界のM&Aの状況はどうなっているでしょうか。主要なエリアの動向を確認していきます。※本記事は、Datasite日本責任者・清水洋一郎氏の書き下ろしです。

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      上半期のM&A…逆風に停滞も、一部は急成長を記録

      今年上半期における世界のM&Aは、欧州の成長率鈍化、上海のロックダウンと中国市場によるAPAC地域でのM&Aの低迷、さらにアメリカ全体のマクロ経済の不透明感など、世界的にも、各地域としても強まる逆風の影響で、停滞を示しました。

       

      技術・メディア・通信(TMT)のディールメーキングを含む一部のセクターは、世界的な状況とは異なり、全地域で大きな成長・活動を記録しました。新技術からの強いプレッシャーにより、多くの企業が買収を実現させました。Datasiteのプラットフォームでは、年間約13,000件の取引を支援しておりますが、特に資産売却、購入、合併などのグローバルTMT関連の新規取引は、2022年の6月までで、前年比5%増となっています。

       

      また、DX化やサイバー犯罪の対策のため、世界的に取引は活発になっており、欧州での通信業界の企業再編など地域的なニーズもあり、TMTセクター全体に活発な動きが見られました。

      アメリカ:マクロ環境の悪化に伴い、引き続き活発化

      アメリカ全域におけるマクロ経済情勢は不安定な状況です。インフレの指標である7月の消費者物価指数は依然として8.5%であり、現在米ドルは過去20年間で 最高の水準にあるため、投資家はリスクオフ資産に移行することを余儀なくされています。しかし、このデータは、ディールメーキングが停滞しているにもかかわらず、その状況を冷静に見る必要があることを示しています。この市場の低迷は、2021年の持続不可能な好調期を経て、事実上、平均値に戻ったともいえます。

       

      TMTセクターは、1,712件の取引を行い、金額、数量ともに引き続き地域別セクターの活動をリードしています。次いで、エネルギー・鉱業・公益事業(EMU)、不動産が続いています。

      EMEA地域:取引件数は減少傾向も、金額は堅調に推移

      世界的な紛争、インフレの急上昇、サプライチェーンの課題などにもかかわらず、欧州、中東、アフリカ (EMEA)では今年上半期には継続的な取引が行われていました。しかし、欧州では金融政策は統一されているものの、 公共予算と財政赤字はばらばらで見通しは複雑になっています。

       

      この地域のM&Aは、件数・金額ともに、引き続きTMTが牽引しており、1,353件の案件がありました。次いで、化学産業(IC)、ビジネスサービスが取引額で上位を占めています。

      APAC:逆風の中にありながらも、M&Aは堅調に推移

      昨年のAPACにおけるディール活動は非常に好調でしたが、パンデミック前の状況と比較すれば、今年はまだ堅調といえるでしょう。今後を見通しとしては、中国での取引低迷にもかかわらず、東南アジアの成長鈍化の兆候が持続し、インドのインフレが強固であったとしても、買収側は引き続き様子をみるべきでしょう。

       

      2022年上半期、APAC地域のTMT業界への M&A活動は増加した一方で、下半期には産業化学(I&C)がTMTを追い抜く可能性あります。金融セクターは、昨年を大きく上回っており、引き続きAPAC地域で取引高トップのセクターとなっています。

       

       

      清水 洋一郎
      Datasite 日本責任者

       

       

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        Datasite  日本責任者

        米国で金融、IT、自動車、製造業のマーケティング担当を経て、国内大手IT会社やSIerで金融ITソリューションなどの営業・マネジメントに20年以上従事。

        カントリーリスク管理やマクロ経済学の知識を生かし、様々な国内外資系企業のコンサルティングを経験。

        現在、Datasite日本法人の代表として、日本市場における事業開発や事業拡大を統括している。

        Datasite Japan: https://www.datasite.com/jp/ja.html

        著者紹介

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