(※写真はイメージです/PIXTA)

日米の金利差拡大によって、円安傾向は当面続く見通しです。資産を守り、増やしていくには、どうすればよいのでしょうか? 国内外の相談・案件実績は年間2,000件、累計では10,000件を超える“富裕層を熟知した税理士”・芦田ジェームズ敏之氏が解説します。

大幅な円安下で資産を守り、増やしていくには?

2022年に入り、外国為替市場では円安・ドル高が急激に進んできました。7月中旬には約24年ぶりの円安水準となる1ドル=140円近くまで達しました。その後はやや戻して1ドル=130円台前半で推移していましたが、140円台半ばまで下落しました。日米の金利差拡大によって円安傾向は当面続く見通しです。そうした中、よくお受けする質問が、現在の大幅な円安下でどのように資産運用、資産防衛をすればよいのかというものです。

 

そこでまず考えていただきたいのは、そもそも円安・円高というのは何を基準にしているのかということです。何かの基準があって、それとの比較で円安や円高があるわけです。たとえば1年前と比べて円安・円高、または2年前と比べて円安・円高などです。

 

もう一つ考えることは、たとえば来年8月の為替が現在の価格と比べて高いのか、安いのかということです。後付けの理論で、今年8月が円高だったとか、円安だったという説明はできますが、それはあくまで後付けの説明です。現状では正確な見通しは誰にもできません。

 

つまり、為替市場の短期的な動きは誰にもわからないということです。その「わからない」ことに対して、「わかる」として行動するのか、「わからない」として行動するのかが重要で、基本は「わからない」という前提に立って行動するのが現実的ではないでしょうか。

一般投資家と富裕層の決定的差

私の見る限り、一般の投資家の多くが「わかる」という前提に立って行動しているように感じます。そのため自分の予想どおりだと喜ぶ一方で、予想とは違った方向に動くと不安に駆られます。たとえば金融系の投資、株式やFXなどにレバレッジを活用して投資している場合、慌てて損切りしたり、また追証が発生したりするリスクもあります。

 

その点、富裕層の方々の行動は基本的に違います。円安・円高といった短期ベースの動きにはあまり関心がなく、投資に一喜一憂することはほとんどありません。

 

基本的に自己資金で投資を行っていますから、仮に保有する株式が含み損を抱えていても慌てる必要がなく、結果に自分自身が納得していればいいので気軽に保有し続けることができます。10~20年のスパンで投資に目を向けているのが富裕層の特徴です。

 

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