国税局「追徴課税します」…タワーマンション購入に潜む“3つの資産リスク”

タワーマンションの購入には、どのようなリスクが想定されるのでしょうか? 東京に本拠を置く独立系運用会社、株式会社アリスタゴラ・アドバイザーズ代表取締役会長・篠田丈氏が解説します。

タワマン購入に潜むさまざまなリスク

住宅の購入は人生最大の買い物とも言われ、特にタワーマンションともなれば価格が1億円を超えるいわゆる「億ション」も珍しくなくなってきました。大きな買い物だけに悩みも多く、賛否両方の観点から様々な記事が出ています。

 

1月13日付の記事『「都心・億超えのタワマン」を購入したパワーカップル…返済計画に潜む「破綻リスク」』ではパワーカップルに注目して、主にローンの返済リスクについて触れました。

 

本稿はタワーマンションを投資対象として見た場合のリスクという切り口で、税法、価格、流動性リスクという三つの観点から、タワーマンションという資産を購入することのリスクについて解説します。

1.「節税目的の購入」に潜むリスク

タワーマンションを購入する方の中には、節税を目的とする富裕層の方も多くいらっしゃいます。しかし、節税目的に購入したとしても狙った節税効果を得られるとは限りません。タワーマンションを節税目的で購入するにあたって、どのようなリスクがあるのでしょうか。

 

一つ目のリスクは法改正のリスクです。税法は時代に合わせて絶えず変わります。実際に、タワーマンションの節税効果の一つとして知られていた固定資産税の節税は2017年の税法改正によって対策され、2017年以降に分譲されたマンションには適用されなくなりました。

 

もう一つの節税効果である相続税対策はまだ有効ですが、相続税は特に税法改正のリスクが大きいと考えられます。というのも、今年相続対策としてタワーマンションを購入したとしても、相続が発生するのはずっと後になることが多いでしょう。たとえば20年後に相続が発生する場合、その間に税法が改正されていれば改正後の計算方法に基づいて資産価値が計算され課税されることもあり、節税のために購入したのにその恩恵をまったく受けられない可能性があります。このように節税には常に法改正のリスクが伴います。

 

また、税法が改正されなくても、相続税対策として購入した場合には追徴課税が発生するリスクもあります。基本的に不動産の相続は、土地については路線価、建物については固定資産税評価額に基づいて相続税評価額が算出され、相続税が発生します。タワーマンションの場合は高層階ほど相続税評価額と市場価格に乖離があり、この差が節税につながっています。しかし、評価が著しく不当であると認められる場合には他の合理的な方法で評価することが通達によって定められています。

 

実際に、銀行借り入れを行ってタワーマンションでの節税を行ったケースでは、今年4月の最高裁判決で国税が勝訴し3億円の追加徴税が認められました。相続税対策の名目での借り入れを行う、高齢で高額なタワーマンションを購入する、相続発生直後に売却するなどした場合は、節税目的とみなされるリスクが高まります。
 

このように節税目的に購入しても狙ったような効果を得られない可能性があり、節税目的でタワーマンションを購入することにはリスクがあります。

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    アリスタゴラ・アドバイザーズ 代表取締役会長

    1985年に慶応義塾大学を卒業後、日興証券ニューヨーク現地法人の財務担当役員、ドレスナークラインオート・ベンソン証券及びINGベアリング証券でエクイティ・ファイナンスの日本及びアジア・オセアニア地区最高責任者などを歴任。その後、BNPパリバ証券で株式・派生商品本部長として日本のエクイティ関連ビジネスの責任者を務めるなど、資本市場での経験は30年以上。

    2011年4月よりアリスタゴラ・グループCEOとして、日本・シンガポール・イスラエルの拠点から、伝統的プライベートバンクと共に富裕層向け運用サービスを展開、また様々なファンドを設定・運用、さらにコーポレートファイナンス業務等を展開している。

    著者紹介

    連載富裕層向けアセットマネジメントが教える「投資」のヒント

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