東京都心の新築マンションの平均価格の上昇が止まりません。いまや会社員の平均年収の10倍を超え、東京でマンション暮らしなんて夢のまた夢、という状況になっています。そのようななか、不動産会社から上客とさえているのが、資金力のあるパワーカップル。共働きで、十分な世帯年収があり、消費欲も旺盛。そんなカップルが年収の10倍を超えるマンションを買っているのだといいます。そこにリスクはないのでしょうか。
「都心・億超えのタワマン」を購入したパワーカップル…返済計画に潜む「破綻リスク」 (※写真はイメージです/PIXTA)

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会社員の年収の13倍強…東京の新築マンションは誰が買う?

――東京の新築マンションの価格は、会社員の平均年収の約13倍

 

先日、このようなニュースが大きく報じられました。厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、東京都の平均年収は595万2,000円。新築マンション平均価格は8,000万円に迫る勢いで、いまや「都内でマイホームの実現なんて無理……」という水準になっているというのです。

 

新築マンションの平均価格が上昇し続けている要因はいくつかいわれていますが、そのひとつが高価格帯のタワーマンションの増加。以前は、東京都心から湾岸部にかけて建てられていたものが、郊外、さらに地方の中核都市にも建てられ、いまやプレミアム感はなくなりつつあります。しかし東京都心の物件は別物。実際、2020年から2021年にかけて、東京23区では6棟のタワーマンションが新たに誕生。戸数にして5,000も増えました。

 

都心の高層マンションの建設ブームはリーマンショック前がピークではありましたが、それでも毎年コンスタントにタワーマンションは誕生し、日本のタワーマンションの半数以上が東京都心に集中しています。

 

富裕層が購入するイメージの強いタワーマンションですが、昨今は新たな購入層が登場しています。消費欲旺盛な共働き夫婦であるパワーカップルです。ともに正社員として働き、お互いに十分な収入を得ている夫婦で、その年収基準は700万円〜1,000万円以上とも。住宅ローンのは年収の5倍までといわれていますが、これは片働きが主流だったバブル期のもので、夫婦同程度の収入を得ているパワーカップルであれば、単純計算、世帯年収の10倍程度のローンを組んでも問題ないと考えられているのです。事実、金融機関も十分に収入のあるパワーカップルであれば、世帯年収の10倍程度のローンも珍しくありません。

 

またシニア層が終の棲家としてタワーマンションを選ぶ流れがあったり、富裕層が節税対策としてタワーマンションを活用したりというニーズも顕著で、需要の増加に拍車をかけています。