WEBページのアクセス性を左右する最重要項目とは?
「ユーザビリティ調査報告書」の目次は基本的に決まっており、私たちはこの目次にしたがってクライアントのWEBサイトをユーザーの視点でひととおり見て、専門家としての意見をまとめている。
「アクセス性の最初の項目は、ページタイトルの適切性です。まずよい点を挙げますと、御社サイトではすべてのページにしっかりとタイトルが設定されていました。ですが、最適なタイトルになっているかというと残念ながらそうではありませんでした」
西田は、堀金製作所のコーポレートサイト事前調査の結果から、まずは企業のよい点を挙げることを最優先とした。いきなり改善点を指摘されるのはあまりよい顔をされないだろうと判断したからだ。
「タイトルがそんなに重要なのか?」
「はい。タイトルはアクセス性を高めるために最重要の項目といえます。タイトル一つで検索順位も大きく変わってくるのです。これは検索エンジンが、まずタイトルで内容をある程度判断しているからだと考えられます」
検索エンジンのアルゴリズムは公開されていないのであくまで推測であるが、適切なタイトルに変更すると検索順位が上位になることは事実である。
「また認知度の高い項目、たとえばブランド名を活かすと認識されやすくアクセス性が高まります。家庭用ページのタイトルでは、現在『家庭用商品|堀金製作所』となっていますが、『カッターナイフの家庭用商品|堀金製作所』としたほうがアクセス性が高まります」
「へぇー、そうなんですね」WEB担当である峰岸課長が驚いた声を上げた。
「はい。それと製品一覧ページですが、家庭用や建築用などジャンルが違う場合でも一律に『検索結果一覧|堀金製作所』と表示されますが、たとえば『カッターナイフの家庭用商品|検索結果一覧|堀金製作所』と変更するほうが適切です」
「けっこう細かい配慮が必要なのね」峰岸課長は溜め息をつく。
「そうですね。ですが『神は細部に宿る』という格言もあります。WEBページでは細かいことに配慮すればするほど結果もよくなりますので、努力のしがいがありますよ。またそのあたりを整えるためのツールも発達していますので、思うほど手間はかからないものです」
西田の答えに峰岸課長は安堵したらしく、笑みを浮かべた。
ちなみにホームページはHTML(Hyper Text Markup Language)という言語で記述され、タイトル・段落・見出しなどの文章の構造や太字・斜体字などの文字の表現方法などは、タグといわれる制御情報で表現される(例:<p>○○○○</p>→段落を意味する<p>~</p>を<p>タグという)。タイトルは、<title>タグで表現される。
岸本 誠
株式会社インフォネット
代表取締役会長
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