健康的で自立した老後を送るためには、年を重ねても、積極的に活動しつづけ、社会とつながりを保つことが大切です。健康的な老後を過ごすために、70代ですべきことを「こころと体のクリニック」院長の和田秀樹氏が解説します。※本連載は和田秀樹氏の共著『70歳からの生き方が寿命を決める!健康長寿の新常識』(宝島社)から一部を抜粋し、再編集したものです。
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運転免許の返納で高齢者の活動量が激減
高齢者の自動車による死亡事故が社会問題となり、運転免許を自主返納する動きが高まっています。都心部では車を使わずとも生活に支障をきたしませんが、スーパーやコンビニに行くのにも車が必要な地域では、車を失った高齢者は外出の機会を失い、活動量が激減。
上のグラフは、65歳以上の要介護認定を受けていない運転をしている男女2844人に行った調査で、4~5年後、運転を続けているかを聞き、認知機能を含めた健康状態を調べ、その後6年間の運転の継続と要介護認定の関係を分析したものです。
これによると、運転を続けた人に比べ、運転を止めた人は要介護となるリスクが2.16倍になったことがわかりました。
もちろん個人の身体機能や脳機能に合わせての判断が前提ですが、一様に「高齢者に運転をさせてはいけない」とする風潮を見直す必要があるのではないでしょうか。
アルツハイマー型だけじゃない…3つのタイプの認知症
ひとくくりにされがちですが、認知症にはいくつかのタイプがあり、それぞれ進行の具合は異なります。正しく理解しましょう。
もっとも多いアルツハイマー型認知症は、時間をかけてゆっくり進行します。
次いで多い血管性認知症は、脳梗塞や脳出血が起こるたびに進行を深めていきます。
レビー小体型認知症は、いいときと悪いときを繰り返しながら進行。また、アルツハイマー型と血管性を合併している例も見られます。
罹患者数の多いアルツハイマー型の初期はもの忘れの延長程度の症状なので、病気が見つかってから対策を講じても十分です。このようにそれぞれ症状も進行も異なるので、まずは認知症の知識を正しく身につけることが重要。
平均寿命が延び、85歳以上の4割、90歳以上の6割が認知症を発症するいま、認知症は病気ではなく老化現象のひとつとして考えたほうがいいでしょう。
こころと体のクリニック
院長
和田 秀樹
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精神科医
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、浴風会病院精神科、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、立命館大学生命科学部特任教授、和田秀樹 こころと体のクリニック院長。老年精神科医として、30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』『老化恐怖症』など著書多数。
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連載70歳の危機を乗り越える、健康的な老後の過ごし方