(画像はイメージです/PIXTA)

私たちの生活と税金の問題は切っても切れない関係にあります。にもかかわらず、その仕組みをはっきりと理解している人は多いとは言えないのではないでしょうか。身近な税金の疑問を泉美智子監修『学校では教えてくれなかった社会で生きていくために知っておきたい知識』(株式会社KADOKAWA)で解説します。

意外と知らない! 身近な税金の疑問

社会保障と税金について、曖昧な理解のまま過ごしている人も多いかと思います。お金を軸にそれらの意義や使われ方を知れば 、何となく天引きされていた、払っていたお金の意味もわかって、社会が見えてくるのではないでしょうか。

 

  • QUESTION01 税金はどうやって集められているの?
 
  • ANSWER 国民の暮らしのためさまざまな方法で集められる

 

日本では、憲法によって最低限度の健康で文化的な暮らしが国民に保障されています。そしてそのためには、病院や学校といった公的機関や、道路や水道といったインフラが必要です。こうした施設やサービスに必要な費用をまかなうのが、私たちが負担する税金なのです。個人や会社は国や自治体に納税をし、国や自治体が公的施設や公的サービスの運営のために支出をします。つまり、私たちみんなの納めたお金が、まわりまわって私たちの生活を豊かにしてくれているのです。

 

税には国に払う国税、自治体=都道府県・市町村に払う地方税があります。所得税や贈与税、法人税や相続税は国税、都道府県税や自動車税、固定資産税などが地方税です。

 

また、消費税のように同じ税率で徴収する税もあれば、所得税のように収入などに応じて税率が変わるものもあります。

 

納税方法によっても、2種類に分けることができます。ひとつは、税を負担する人が直接納税する「直接税」(所得税や相続税、住民税など)。もうひとつは、税を負担する人と納税先へ納税する人が異なる「間接税」(消費税や酒税、たばこ税や入湯税など)です。

 

  • QUESTION02 ぶっちゃけ給料からいくら天引きされるの?
 
  • ANSWER 所得税と住民税の税額は収入の多さによって変わる

 

収入にも所得税と住民税という2種類の税がかかって、給料から天引きされています。どちらも「課税所得(=所得から控除を差し引いた金額)」が大きいほど税額が大きくなります。

 

特に課税所得によって額が大きく変わるのが、所得税です。所得税とは個人の所得に対してかかる税金で、課税所得に税率を適用し計算します。右上の図のように、課税所得額が上がると、税率も上がります。ただし、課税所得が300万円の場合は195万円までが税率5%、残りの105万円に税率10%がかかるように、超過した分にのみ、段階的に高い税率がかかるようになります。

 

住民税は地方税の一種で、都道府県が課税する道府県民税(東京都は都民税)と、市区町村が課税する市町村民税(区市町村民税)の総称。教育、福祉、ゴミ処理など、地方自治体の公共サービスに使われます。定率の所得割と定額の均等割によって算出されます。所得割は課税所得金額に10%をかけて計算します。また、均等割は道府県民税1,500円と市町村民税3,500円を足した、5,000円です(2023年度までは防災費用として500円ずつ増額)。

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本連載は、2022年3月17日発行の書籍『学校では教えてくれなかった社会で生きていくために知っておきたい知識』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

学校では教えてくれなかった 社会で生きていくために知っておきたい知識

学校では教えてくれなかった 社会で生きていくために知っておきたい知識

泉 美智子

KADOKAWA

義務教育では教えてくれなかった「本当に必要な知識」、教えます! なんとなく社会人になって、なんとなく働いていると、「なんとなくボンヤリした不安」に襲われます。それは、学校では教えてくれないくせに、「大人なら当然…

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