(画像はイメージです/PIXTA)

万が一の場合に役に立つ保険制度。その具体的な制度を知っていますか? 誰もが利用できる公的保険制度の仕組みから、民間医療保険の選び方まで、身近な社会保障の疑問を泉美智子監修『学校では教えてくれなかった社会で生きていくために知っておきたい知識』(株式会社KADOKAWA)で解説します。

もしもの時に役に立つ!保険制度の仕組みと選び方

  • QUESTION07 社会保障ってどうして必要なの?
  • ANSWER 個人では対応できないリスクにそなえることができる

 

病気や老い、死、災害など、世の中にはいろいろなリスクがあります。普段から用心し、万が一に備えておくのは大切ですが、すべてのリスクに完璧に備えておくことはできません。

 

そこで登場するのは、社会保障という考え方。人々から税や社会保険料を集めて、社会全体でリスクから暮らしを守る仕組みです。

 

不運にも困難に直面してしまうのは、確率的には少数の人たちです。そういった人を社会全体で支えることで、個人個人のリスクを分散するとともに、リスクを恐れることなく安心して暮らせるようになるのです。

 

日本の社会保障は、困窮者の暮らしを支える「公的扶助」、健康に暮らせる社会を維持するための「公衆衛生」、高齢や障害などハンディキャップのある人の暮らしを支える「社会福祉」、困難に直面したときに金銭的に支えてくれる「社会保険」の4つに分けられています。

 

もちろん、社会保障があるとはいえ、給付などは一定の範囲までしかもらえません。そのため、自助努力をすることも大切になってきます。必要に応じて、民間の保険や自分の貯蓄を通じて、リスクヘッジをしておくようにしましょう。

 

  • QUESTION08 保険ってどんな種類があるの?
 
  • ANSWER 社会保険5種のほかにも民間の保険がある

 

社会保障制度のなかでも、特に金銭的な面を支える社会保険には、原則的に加入が義務づけられている5種類の保険があります。

 

ひとつは「健康保険」。保険証を医療機関の受診時に見せると、支払い負担が3割で済みます。働けなくなった場合に金銭的な補償を受けられる「傷病手当金」も健康保険の制度のひとつです。

 

2つ目の「年金保険」は、一般的には年金と呼ばれ、高齢者などの暮らしを金銭的に支える仕組みです。国が運営する公的年金には、国民年金と厚生年金があります。

 

これらに加え、介護が必要になった場合に備える「介護保険」、失業した場合に備える「雇用保険」、勤務中や通勤中に病気やケガをした場合に備える「労災保険」があります。人生のなかで発生するかもしれないリスクに備える、大事な制度です。

 

保険には公的なもの以外にも、民間の保険があります。それらはQUESTION11~12で詳しく解説しているので、公的な保険のほかにも加入しておくのがいいか、検討しておくとよいでしょう。

次ページ自分はどの健康保険に入っているのか?

本連載は、2022年3月17日発行の書籍『学校では教えてくれなかった社会で生きていくために知っておきたい知識』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

学校では教えてくれなかった 社会で生きていくために知っておきたい知識

学校では教えてくれなかった 社会で生きていくために知っておきたい知識

泉 美智子

KADOKAWA

義務教育では教えてくれなかった「本当に必要な知識」、教えます! なんとなく社会人になって、なんとなく働いていると、「なんとなくボンヤリした不安」に襲われます。それは、学校では教えてくれないくせに、「大人なら当然…

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