(画像はイメージです/PIXTA)

「相続」を「争族」にしないために―。相続トラブルは、「家族信託」と「遺言」を使って“一気に”決着をつけられます。本連載は、司法書士・池田千恵氏の著書、『実際にあった相続トラブル40例!解決策大全』(ビジネス社)の中から一部を抜粋し、家族の間で起こる相続トラブルの対処法を紹介します。

  • 共同遺言は禁止

 

共同遺言とは、2人以上の人が(たとえば夫婦など)同一の書面でする遺言のことをいいます。1つの書面に2人分の遺言内容を書いて夫婦で署名するような遺言は無効です。

 

無効な遺言の例(共同遺言)

 

夫が先に亡くなった場合は、夫の財産はすべて妻に相続させる。

 

妻が先に亡くなった場合は、妻の財産はすべて夫に相続させる。

 

令和〇年〇月〇日 夫 鈴木一夫 印

 

         妻 鈴木礼子 印

 

  • 錯誤や詐欺・脅迫により書かれた遺言は取り消すことができる

 

錯誤(思い違い)により作成された遺言や、誰かに騙だまされたり(詐欺)脅迫されて作成された遺言は取り消しの対象となります。

 

ただ、問題が表面化したときには遺言を作った人はもう亡くなっている場合が多いので、錯誤や詐欺・脅迫があったのかどうかで相続人が揉めることになります。

 

遺言に書くと効力を持つ内容

 

遺言が威力を発揮するのは、「誰に」「何を」「どうするか」という遺産の分割方法の指定でしょう。それ以外にも遺言でできることはいろいろあります。

 

ただし、遺言は何を書いても効果が生じるわけではありません。遺言に書くと効力があること、効力はないけれど書いてもいいこと、書いてあっても無効なことは次の図の通りです。

 

[図]遺言に書けること・書けないこと 

 

 

本連載は、2022年7月1日発行の書籍『実際にあった相続トラブル40例!解決策大全』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

実際にあった相続トラブル40例! 解決策大全

実際にあった相続トラブル40例! 解決策大全

池田 千恵

ビジネス社

「相続」を「争族」にしないために―。元国税調査官・大村大次郎氏が推薦する話題の相続関連書。著者で「池田千恵司法書士事務所」・「岡崎家族信託・相続手続き事務所」所長である池田千恵氏は、「相続トラブルは『家族信託』…

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