蒸し暑くなる頃、水回りの窓辺にビッシリ&ワサワサ…
不動産投資家にとって、留意すべきリスクはいくつもある。空室リスク、大規模修繕の資金繰り、問題入居者…。しかし、古くからずっと対策が不可欠なものがある。それが日本の住宅の「シロアリ被害」だ。
蒸し暑くなりはじめる5月から6月、木造住宅の水回りの窓に、羽の生えた小さな虫がビッシリ…。この時期は羽アリの出現が多いため、見かけた虫が必ずしもシロアリとはいい切れないが、注意が必要なことに変わりない。
シロアリか否か、見分けるポイントはいくつかある。
★羽が左右4枚あるか?
★前後の羽のサイズは同じぐらいか?
★触角がパールのネックレスのような数珠状か?
もし、見かけた虫の形状が上記に当てはまった場合はシロアリである可能性が高いため、シロアリ駆除の専門業者への相談をお勧めする。
日本の建築物、シロアリ被害の実情
高温多湿で木造住宅が多い日本では「シロアリの恐ろしさ」が周知されている。ところが「コンクリート造」の建造物にも、シロアリ被害が起こる場合があるという。
地球温暖化が進む近年、もしかしてシロアリにも「コンクリートを食料とする」という新たな進化が起こったのか? もし高層建築にも影響があったら…と思うと恐ろしいが、その点はどうなのであろうか。
「一般社団法人 関東しろあり対策協会」の事務局の方にお話を伺った。
「シロアリには、脆くなったコンクリートを食い破る程度の顎の力がありますので、そういった箇所や配管部分から侵入して、エサとなる柱や床下の木材を使った部分に被害が出るというのは、以前よりいわれていることです。ただ、基本的に床下から這い上がってくる生き物なので、建物の高層階に被害が出ることはほぼないと思います」
――上層階に被害があったというご相談はないのでしょうか?
「相談者の方から〈2階部分の床がベコベコする〉〈2階の柱に異常があると感じる〉などと伺った場合は2階部分を確認しますが、調査でも大体、床下のみの確認であることが多いです。したがって、高層建築の上層階に被害が出るということは、基本的にないと思いますね」
――では、上層階の場合は不安視しなくても大丈夫でしょうか?
「木材を食べに来るために基礎部分穴をあけ、そこから侵入されて被害が出るパターンだけでなく、もうひとつ、輸入家具にシロアリが潜んでいるパターンもあります」
――輸入家具からですか…。
「気づかない間に家具から白アリが発生して増殖し、室内に被害が出るケースもありますので、輸入家具の搬入の際には十分な注意が必要です」
――家具は搬入時の注意が必須として、建築物の基礎部分のコンクリートを食い破って…というパターンの場合、「ある程度築古の物件のリスクが高い」という考え方でよろしいでしょうか?
「そうですね。ただ、配管から侵入される場合は、築年数は関係ありません。とはいえ、新築であれば防除施工が義務付けられていますので、施工側がなにかしらの対応をしていると思われます。それ以降になれば、コンクリートや配管から入ってしまって、被害が出る場合もあります」
――そうなんですね…。
「ごくまれに5年以内にも発生することもありますが、そういう場合は保証期間の対象内だったりしますから、最初の施工業者さんと相談して…という形になると思います。業界としては、5年ごとの薬剤施工を推奨していますが、大体5年で薬剤の効能が消えるので、それ以降対処しなければ、当然ですが、リスクが増えることになると思います」
つまり、当然といえば当然だが、日々の注意深い管理とこまめな対策が必須ということだ。日本においては、木材を利用した建築物は常にシロアリ被害のリスクがある。大切な財産を守るためにも定期的なチェックを行い、異常に気づいたら速やかな対処を行っていこう。
税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
カメハメハ倶楽部セミナー・イベント
【12/10開催】
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
―税務調査を録音することはできるか?
【12/10開催】
不動産「売買」と何が決定的に違うのか?
相続・事業承継対策の新常識「不動産M&A」とは
【12/11開催】
家賃収入はどうなる?節目を迎える不動産投資
“金利上昇局面”におけるアパートローンに
ついて元メガバンカー×不動産鑑定士が徹底検討
【12/12開催】
<富裕層のファミリーガバナンス>
相続対策としての財産管理と遺言書作成
【12/17開催】
中国経済×米中対立×台湾有事は何処へ
―「投資先としての中国」を改めて考える