「デマを飛ばしてパニックを醸成する行為を禁止する」
2022年3月末、遼寧省TV局のある司会者が、婉曲的ながら「現地の感染状況は官製報道で言われているより悪い」と発言。同氏は暫定的に職務停止処分となった。
TV局は同氏が報道管理規定に違反したとしたうえで、「TV局は遼寧党委員会・省政府の広報媒体であり、司会者の言動は当該個人の心象(形象)以上に、党媒体としての心象を代表するもの」と強調。
中国では、多くのメディアが官製報道をするための道具であることは周知の事実ではあるが、組織の性格・立場を明言したという意味では「評価」できなくもない。
封城に対する市民の不満が高まる中、上海市は4月、「ネット上でデマを飛ばす(造謡)行為をさらに調査・処理する公告」を発出。
市民に対し、「デマを飛ばしてパニックを醸成する行為を禁止し、厳格に取り締まる」と警告し、「ネットは法律の外にあるものではない」と強調、「関係者は徹底的に追及する(一追到底)」とした。実は公告が出される数日前、ネット上で、「これは感染対策を口実にして、十数億人に対し服従する訓練を発動したものだ」「この訓練の結果、人々は一切の代償を無条件で受け入れるようになるだろう」との書き込みがあった。
上海市民が鍋を叩いて清零に不満を示す(敲鍋)運動も起ったが、関連ワードの検索ができなくなり、封城が続くとそのうち叩く鍋も買えなくなるとの声が出た。
5月下旬、2ヵ月振りに公共交通機関が再開し、官製メディアはこぞってこれを宣伝しようとしたが、インタビューを受けた乗客の「2ヵ月も外出できないとは途方もない冗談(天大笑話)」「この2ヵ月間、何の物資も届かなかった」など当局の思惑をひっくり返す反応(大翻車)に遭い、関連部分は削除・編集された。