今年度の「ふるさと納税」は3500億円規模まで拡大か
ふるさと納税は年々人気が高まっており、昨年度約1600億円の市場規模も、今年度は約3500億円まで拡大すると言われております。ここまで人気がでてきたのも、積極的に取り組む自治体が増え、あらゆるジャンルの特産品が増えたことが理由のひとつとしてあげられます。
その反面、自治体間の過熱化する特産品が急増し、「特産品合戦」などとも言われており、総務省より換金性の高い特産品を自粛する要請が入るなどの動きもありますが、あくまでも自粛であるため、自治体側の意向によって継続するなど、強制力は現在はありません。
そのなかでも自治体によって地元の活性化のため、さまざまな工夫、取り組みがされています。今回は、そのオリジナリティ溢れる自治体の取り組みを紹介していきたいと思います。
代行サービス、体験型・・・特産品の種類もさまざま
各事業者の設けたポータルサイトを利用して寄附を集める自治体がほとんどのなか、
長崎県平戸市(https://furusato-hirado.jp/)や岡山県備前市(https://furusato-bizen.jp/)など、自治体独自で特設サイトなど運営し、寄附の入口を増やす取り組みなどが見受けられます。
また、先程述べた総務省の要請により、家電の掲載を取り下げるなどの動きがありますが、なかには、自治体独自の特設サイトや一部のポータルサイトで、家電や独自の特産品を掲載するなど、さまざまな方法で、地域の特産品をPRする取り組みが増えてきています。
特産品にも自治体毎のさまざまな取り組みが行われており、地域の特色を活かした特産品を楽しむことができます。
<特産品としてご利用できる事業者の増加>
通常のふるさと納税では、地域の食材が届くイメージが強いかと思いますが、
●空き家見回りサービス
●お墓お掃除サービス
●空き地草刈りサービス
など、地元の事業者が家事などを代行するサービスも特産品のひとつとして提供しています。
<体験型への取り組み>
また、観光地などでは、市町に実際足を運んでいただき、魅力を知ってもらう体験型の特産品を用意する自治体も増加しています。
●群馬県草津町:温泉旅館の宿泊券
●岐阜県池田町:大自然の中でのアクティビティ体験
●茨城県大洗町:漁業体験
など、その地域ではないと体験できない独自の取り組みも増えてきています。
<新体験型ふるさと納税「ふるなびグルメポイント」>
今までのふるさと納税では、自分の寄附した自治体からお礼の品として地域の特産品が送られてきますが、「美味しいお肉が届いても調理できない」「調理するのが面倒」など、意見はさまざまです。
三重県明和町では、そのような寄附者の声に応えて、お礼の品がご自宅に届く従来のふるさと納税の形とは異なり、「松阪牛」の肥育先である三重県明和町へふるさと納税することで、東京、名古屋、大阪の「松阪牛を取り扱う有名店」で1ポイント=1円として利用できる寄附金半額相当のグルメポイントを贈呈するなど、日本で初めての取り組みがスタートしています。
独自のシステムで、問題になっている転売などの心配も、ポイントの有効期限もないため、控除上限金額が多い高額所得者には喜ばれるのではないでしょうか。
ふるなびグルメポイント:https://gp.furunavi.jp/
このように、自治体の地域の特色を考え工夫を重ねていくふるさと納税は、今後さらに人気がでる制度だと思います。ふるさと納税をきっかけに、地域の魅力を堪能し、地域貢献してみてはいかがでしょうか。