ハンセン指数 21,531.67 pt (▲0.56%)
中国本土株指数 7,467.87 pt (▲0.43%)
レッドチップ指数 3,913.03 pt (▲0.70%)
売買代金1,400億8百万HK$(前日1,385億2百万HK$)
香港株式相場は反落、中国株式相場は小幅高
香港株式市場は前日、ハンセン指数が約2ヵ月ぶりの高値水準を回復したが、本日は一転して上値が重い展開となった。中国政府の追加経済政策への期待感からの買いと、主要中銀の金融引締姿勢への懸念からの売りが交錯し、前日比では0.56%安と小反落で取引を終えた。
中国本土の株式市場は、上海総合指数が3日続伸、前日比0.17%高の3,241.76で引け、CSI300指数は同0.31%高の4,179.13で取引を終えた。ただ、内容はまちまちで、先週から好調だった自動車株が反落した一方で、教育関連株が大幅上昇したことが目立った。本日から中国では、国立大学入試「高考」が開催されている。今年は昨年より約115万人多く、全国で約1193万人と過去最高の受験者が見込まれる。22/23年度入学定員の大幅増が承認されたことも材料となり、関連銘柄の中教控股(839)が20%高、希望教育集団(1765)が14%高、中国東方教育(667)が10%高、中国宇華教育集団(6169)が9%高となった。
今週は主要中銀の金融政策に付いての判断が待たれる
7日の金融市場は米長期金利の上昇が再び強く意識される神経質な展開となった。10年米国債金利は節目の3.0%を再び超えて上昇し、約1ヵ月ぶりの高水準に達した。インフレ懸念が膨らむなか、オーストラリア準備銀行(RBA)は7日開催された理事会で政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを0.5%引き上げ、年0.85%にすることを決定した。RBAの利上げ実施は5月に続いて2会合連続となった。
世界的に高進するインフレに対して、各国中央銀行が金融引締め策を講じる動きは拡大している。今週は9日に欧州中央銀行(ECB)も政策理事会を開催し、金融政策を変更するとの見通しもある。一部にはECBが、年内に1.50%幅で利上げするとの予想も出ていた。来週は米FOMCも控えており、金利上昇への警戒感は拭えないだろう。
一方、日銀は、黒田総裁が金融緩和を粘り強く続ける姿勢を鮮明にした。黒田総裁は7日の参院財政金融委員会で答弁し、日本経済や物価の状況では、金融緩和を縮小すれば設備投資など国内需要に下押し圧力がかかり、2%の物価安定目標の実現は遠ざかってしまうと述べた。日本の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)は、4月に前年比2.1%上昇を記録し、日銀の物価目標とする2%に到達した。しかし、日銀は電気代やガソリンなどエネルギー価格の上昇が主因であり、持続的・安定的な2%目標の実現にはならないとの判断を示した。
金融政策についての日本銀行と海外主要中銀との違いは浮き彫りになった。そのため、ドル円相場は約20年ぶりに1ドル=133円台まで上昇し、ユーロ円相場も約7年半ぶりに1ユーロ=142円台まで上昇した。
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>