前回は、多くの人が加入している「サイズの合わない保険」とは何かを説明しました。今回は、生命保険加入の際に考えるべき「ライフプラン」と「デスプラン」について見ていきます。

ライフプランを立てる際は「将来の夢」を十分に考慮

ライフプランという言葉は、皆さんも聞き覚えがあるのではないかと思います。直訳すれば、「人生の計画」です。自分がこれからどのように生きていきたいのかという将来に対する希望や願い、夢について考えていくことです。

 

皆さんは、これからどのような生活を送りたいと考えていますか。

 

結婚は予定していますか。

子どもは欲しいですか。

子どもが欲しいとしたら、何人ぐらいと考えていますか。

子どもの教育にどれぐらいお金をかけたいと思っていますか。

家を買いたいと考えていますか。一戸建てですか、それともマンションでしょうか。

自動車は必要でしょうか。

将来、起業独立を考えていますか。

ご両親との同居は予定していますか。

親の介護が必要になったとき、どうする予定ですか。

お墓を新しく買う必要はあるでしょうか。

 

等々、これからの人生をどのように生きていきたいのかによって、必要なお金は変わってきます。そして保険プランの作成では、より具体的に、収入のいくら程度を、どんなことに割り当てるかといったことまで踏み込んで考えます。

「お金を準備するプラン」がデスプラン

反対にデスプランは自分が亡くなった後、残された家族がどのように生活していくかを計画するものです。もちろん、経済的にいくらぐらいのお金を準備しておけば、家族が不自由なく暮らしていけるのかを考え、必要な金額が給付されるように保険を組み立てます。

 

いわば、皆さんが亡くなって収入が途絶えても、残されたご家族が先ほどのライフプランや夢を計画通り実現するための、お金を準備するプランと言ってよいでしょう。生きていれば自分で働いて収入を得ますから、使い道も自分で考えることができますが、死んでしまったらそうはいきません。

 

デスプランはライフプランの裏返しのようなものです。したがって、ライフプランを考えなければデスプランを立てることもできません。

 

このライフプランとデスプランを考えずに加入した保険は、はっきり言ってまったく役に立ちません。

 

すでに保険に加入している皆さんは、このライフプランとデスプランを考えて保険に加入したでしょうか。おそらく、そんなことまで考えたこともないという人がほとんどでしょう。だからこそ、8割もの人が役に立たない保険に加入しているのです。

 

自分の加入している保険に対して無頓着な人は意外なほど多くいます。毎月、何万円もの保険料を何の疑問も持たずに支払い続けているのです。毎年何十万円も支払っている保険料が、お金をドブに捨てているようなものになる可能性があること、それだけは覚えておいてほしいと思います。

本連載は、2015年6月26日刊行の書籍『死亡保険金は「命の値段」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

死亡保険金は「命の値段」

死亡保険金は「命の値段」

杉山 将樹

幻冬舎メディアコンサルティング

命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。 加入者は要望に合わせて自由に保険を選べるようになったものの、その選び方…

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