香港では米国で流通する債券への投資が可能なことも
投資フォーラム2日目も、朝早くから多くの参加者が会場に集まった。
冒頭の第7セッションにはNWB営業副部長・吉岡甲子郎氏が登壇し、債券投資の基礎知識をテーマに講演を行った。その中では、オランダ水道管理機関が1648年に発行した無期債券(永久債)をアメリカのイェール大学が2002年に取得し、発行から約370年が経過した2015年に利子の支払いを求めたという、興味深いエピソードなども披露された。
同氏はまず債券の分類として、発行体の違いや発行通貨(自国通貨建て・外貨建て)、利払い方式、利率の決め方についてを解説。発行市場と流通市場という債券市場にも言及しつつ、日本・米国・ユーロ圏を比較した。そして日本では国債が90%を占めるが、社債の市場規模が小さく、証券化商品がほぼ存在しないことを指摘した。一方、米国では、社債や証券化商品の市場規模が大きく、商品の選択肢も多いとし、また香港では米国で流通している債券を入手できるとした。
日本では入手できない商品情報も多数紹介される
また国債についてはモンゴル国債を紹介。モンゴルは中国・ロシアとのみ国境を接しており、特に中国との関係が深く、同国の輸出の90%以上、輸入では30%以上が対中貿易によるという。
そのモンゴルでは、6月28日の議会選挙で最大野党が圧勝し、首相も落選したという結果を踏まえて「外国人投資家たちは選挙結果を見守るスタンスをとっていたが、今後は課題である経済と財政再建への新政権の対応が注目される」と語った。同国では2017~2018年に計21億ドル相当の外貨建て債務が償還期限を控え、返済不能を巡って憶測を呼んでいるが、新規の国債発行も順調に消化されており、利回りの高さもあって、注目が集まっている。
その他にも社債や劣後債に関して、NWBが取り扱っている商品を中心に詳しい解説がなされた。日本では手に入らない商品情報も多く盛り込まれており、熱心にメモを取る参加者の姿が目立った。
次回は第8セッションと第9セッションの模様をお伝えします。