今回は第3セッションでの「ファンド選定法」と、第4セッションの「香港でのオフショア活用法」についての概要をお伝えします。 ※本連載は2016年7月に香港にて開催された、香港の新しい金融機関ニッポン・ウェルス(NWB:Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank)主催による「第2回投資フォーラム」についてお伝えをしています。

「5W1H」を見極めてファンドを選定

第3セッションにはNWB・商品部長の幾田朋彦氏が登壇し、NWB流のファンド選定について講演を行った。同氏は複数資産の組み合わせによるマルチ・アセットアロケーションのメリットを説明し、「分散投資の一番の目的はなるべく負けない運用を目指すこと」であると語った。

 

 

また、日本の投資信託は本数では世界有数であるものの、残高では米国の1/10程度に過ぎず、アクセスできるアセットクラスにも偏りが見られると指摘。その時々の流行・トレンドに沿って新しい投信が設定されたことが、原因となっている可能性が高いと述べた。

 

続けてファンド投資のメリットとして以下の5つを挙げて説明をした。

 

・ プロに運用を任せられる

・豊富な知識と経験を有効活用

・個人では買えない金融商品への投資が可能

・個人では利用しにくい投資手法の活用が可能

・少額で分散投資が可能

 

そのうえで、ファンド投資の様々なリスクを回避するためには、きちんとした運用会社を選択する必要がある事、そのためには以下の5W1Hを見極めることが重要であると説明した。

 

WHO   ファンドマネージャーの経験や会社としての体制と制度

WHEN 選定するタイミングは最適か

WHERE 投資している国や地域

WHAT 投資対象の性質

WHY   なぜその商品なのか(他のファンドにない強み)    

HOW   投資手法

 

特に「Why」が重要であり、ここで商品担当としての総合的な判断力が問われると述べた。そして、質問状の送付による基礎的な情報収集、オンサイト訪問やインタビューを通した運用担当者との対話、第三者を経由した客観的な情報の収集などから、堅実な商品を選ぶことを意識していることを説明した。

 

香港に上場する企業の7割は「オフショア法人」

第4セッションでは日本、香港、中国本土で多くのM&A案件を手掛けてきたKyogo Investment代表の本名正博氏が登壇した。同氏はまず、中国市場で取引される株式の種類について、以下のように4つに分類されることを説明した。

続いて香港の上場企業のうち、7割以上がバミューダやケイマンに籍を置くオフショア法人であり、特にケイマン法人による香港上場が活発である事が紹介された。その上で、オフショア法人のメリットを、外貨送金規制、国内の資金調達環境、国内外の法制度の差異という3つのポイントから解説を加えた。

 

 

最後に、日本の投資家による香港オフショア活用法とタックス・ヘイブン対策税制についての解説があった。その中で、2010年のタックスヘイブン対策税制改正後、香港の持ち株会社が「地域統括会社」として認められた場合には、そこで得た利益を日本の本社の利益と合算せずに、香港の低税率を活用することが可能となった事を解説した。

 

次回は第5セッションと第6セッションの模様をお伝えします。

当記事の記載内容は情報の提供および学習を目的としたものであり、運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。また、当記事に基づいて運用した場合の投資結果については、NWBおよび幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

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