RBAは市場予想を上回る0.25%の利上げを実施
■5月3日、豪州準備銀行(RBA)は金融政策決定会合で、政策金利である翌日物金利の目標を0.1%から0.35%へと引き上げました。利上げ幅は、事前の市場予想の0.15%を上回る0.25%となりました。
■RBAは声明文で、豪州経済は回復力を示しており、予想を上回るインフレ率の急速な上昇や、賃金の伸びの回復が確認されていることから、金融政策の正常化プロセスを開始することが適切である、と述べています。
良好な雇用環境と、インフレ率の急速な上昇が利上げの要因
■4月14日に発表された豪州の3月の失業率は4.0%でした。RBAの中心的な予測では、失業率は2023年初までに3.5%まで低下し、過去50年間で最も低水準となることが予想されています。
■4月27日に発表された豪州の1-3月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比+5.1%、基調的な動きを示すトリム平均値では同+3.7%となりました。いずれもRBAが物価目標とする同+2~3%のレンジの上限を大きく上回っています。
継続的な利上げが見込まれる
■前回会合の議事要旨で利上げの前倒しが示唆されていたことや、1-3月期のCPIが市場予想を上回る上昇となったことなどから、今会合での利上げが予想されていました。ただし、利上げ幅が市場予想を上回ったことから、今会合後の豪ドルの対円レートは豪ドル高・円安となりました。
■今後も堅調な経済成長と失業率の改善が見込まれていることに加え、ウクライナ情勢などから資源価格の高止まりが続くと見られる為、インフレ率も高い水準で推移すると見込まれます。RBAは金融政策の正常化プロセスを開始すると述べていることからも、今後も中立的な金利水準に向けて継続的な利上げが見込まれます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『市場予想を上回る利上げを実施したRBA…今後の展開は?【専門家が解説】』を参照)。
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