ビジネスパーソンの悩みの大部分は、職場や取引先の人間関係に起因するといわれています。ストレス社会を生き抜くには、自分自身でストレスをコントロールする力が欠かせません。ストレスをはねのけ、自己肯定感を高める具体的なセルフケアのメソッドを、心理カウンセラーの中島輝氏が解説します。

怒りが湧いたらまず6秒…暴言を吐くのをやめられる

怒りを覚えると神経伝達物質のアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、血圧が上昇したり、心拍数が上がったりします。怒りは心身にダメージを与えるので、できるだけ怒らずに済むようにしたいものです。

 

カッとなったとき、怒りを理性的にコントロールしてくれるのが脳の前頭葉です。しかし、この前頭葉のスイッチが入るまでに6秒かかるのが難点。

 

そこで、カッとなったときは、心のなかでゆっくり6秒数えます。そのあいだに前頭葉が働き出すので、カッとなって暴言を吐くようなことを回避できます。 怒りを手放すと、ストレス症状や血圧、 睡眠の質、免疫力など、心身の状態が改善されることがわかっています。心身をいい状態に保つためにも、「怒りが湧いたらまず6秒」を心がけてください。

 

★〈怒り→反射的行動〉を回避する

怒りを感じたらすぐに反射的にならないことが大切です。まずは、6秒待って怒りを静めましょう。怒りやイライラが消えるわけではありませんが、理性的に判断することができるようになります。数えるときは、「1、2、3……」と心のなかでカウントしていきます。

 

6秒待っても効果がない場合は、「大丈夫、大丈夫、大丈夫」などと自分に言い聞かせると怒りをコントロールすることができます。怒りを自分でコントロールできるようになると、自信にもつながります。

 

【Advice】6秒待っているあいだに、怒りを点数化してみる

 

6秒カウントしているあいだに、怒りを0~10段階で数値化してみると感情をコントロールしやすくなります。点数が8や9などの高い出来事は、自分がものすごく怒っていると客観視することができるはずです。

ネガティブは伝染する…批判・悪口が多い人から離れて

ネガティブな感情は伝染することをご存じですか? 不安やストレスを言葉や態度で表す人のそばにいると、周囲の人も同じ感情を持つ確率が高くなることが研究でわかっています。

 

また、別の研究では、ストレスのある人を見ただけで、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが高くなるという報告もあります。

 

常に不平不満を口にし、イライラしていて、人の悪口ばかり言う人と一緒にいると、 こちらまで嫌な気分になります。その時点であなたはネガティブな感情に冒されていますし、あなたにとってプラスになりません。

 

そういう人とはできるだけ距離を置き、 関わらないようにしましょう。「この人といると疲れるなあ」と思ったら、その直感は合っています。他人のネガティブ感情から身を守りましょう。

 

★苦手な人と無理に付き合う必要はない 

自己肯定感が低い人は、他人に合わせてしまう傾向があります。しかし、自分を守るためにも、苦手な人と無理に付き合う必要はありません。

 

批判や悪口が多い人とは、できるだけ距離を取りましょう。苦手な人を見るだけでもストレスが発生し、脳のパフォーマンスが下がってしまいます。相手に合わせる必要はないので、必要最小限の付き合いにしましょう。

 

【Advice】嫌いな人の悪口を言うのはNG

 

ストレス発散のため、嫌いな人の悪口を他人に言うのはよくありません。負の感情は周囲に伝わってしまうため、あなたの人間関係が悪くなってしまいます。

 

中島 輝

心理カウンセラー

※本連載は中島輝氏の著書『人生が変わる! 自己肯定感を高める 心のセルフケア大全』(宝島社)を抜粋し、再編集したものです。

人生が変わる! 自己肯定感を高める 心のセルフケア大全

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中島 輝

宝島社

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