忘れられないイヤな出来事は、「シュッ!」と…
嫌なことを忘れたいと思えば思うほど頭から離れず、苦しむこともあるでしょう。そんなときは「スラッシュパターン」を試してみてください。
これはNLP(神経言語プログラミング)で使われている方法で、嫌なことをイメージのなかでゴミ箱に捨て、気持ちを切り替えるテクニックです。
道具は不要。すべて頭のなかで行います。
① 忘れたい「嫌なこと」を強くイメージします。
② ①が解消された理想の状態を思い浮かべます。
③ ①と②をひとつの画面上にふたつ並べ、①を大きく、②を右下に小さく思い浮かべます。
④ ②が①を勢いよく吹き飛ばすように、一瞬で画面が②に切り替わることをイメージします。このとき、声に出して「シュッ!」と言います。
①〜④を3回繰り返して、理想の状態のイメージを優位にしましょう。
★イメージのなかで嫌なことを消すテクニック
嫌なことを頭のなかでゴミ箱に捨てる心理テクニックを紹介します。なかなか忘れられない嫌な出来事などに活用するといいでしょう。
①嫌なことを思い浮かべる
嫌なことを思い浮かべましょう。不快な気分になるほど強く思うのがポイントです。
②理想の状況を思い浮かべる
次に、嫌なことが解消された理想の状況を強く思い浮かべましょう。
③ふたつのイメージを並べる
頭のなかに嫌なことと理想の状況を並べます。そのとき、嫌なことが大きく、理想の状況が右下に小さくある図をイメージしましょう。
④嫌なことを吹き飛ばす
右下にあった小さな理想の状況が一瞬で大きくなり、嫌なことを吹き飛ばすようなイメージを思い浮かべます。そのとき、「シュッ!」と声を出すと効果的です。
相手を許せない気持ちになったとき、役立つ5ステップ
上司や同僚、顧客などに、辛くあたられても避けることができない人もいます。その人にされたことに対して、うらみや怒りの感情が大きくなってしまうときは、「REACHメソッド」が有効です。紙とペンを用意し、次の手順で進めます。
① その感情を持つことになったきっかけを書く。
② 相手があなたに辛くあたる理由を書く。
③ あなたが他の誰かに辛くあたってしまい、相手に許されたときに抱いた感情を書く。
④ ①②を思い浮かべたうえで相手を許す。
⑤ うらみや怒りがおさまらないときは、①〜④を繰り返す。
うらみや怒りの感情を手放すと、ストレス症状の改善、血圧の安定、睡眠の質の向上など、心身ともに状態がよくなることがわかっています。ネガティブな感情をどんどん解消しましょう。
★嫌な相手から解放される方法
嫌な人をどうしても許せず負の感情から抜け出せないとき、下記の5つのステップを実行してみましょう。紙に書き出すとより効果的です。
STEP 1 思い出す(Recall)
嫌な出来事や許せない人を思い浮かべ、そのきっかけを振り返ります。そのとき、自分を責めたり相手に対しての怒りの感情を思い浮かべて書き出したりするのではなく、あくまで俯瞰して出来事を見ていきます。
STEP 2 目立たせる(Emphasis)
相手の視点に立ち、なぜ自分にそのような態度を取ったのかを想像しましょう。他人を攻撃する人は誰に対しても攻撃的である傾向が高く、自分の落ち度ではないことがほとんどです。
STEP 3 視点を変える(Altruistic Gift)
相手との関係から離れて、自分が他の人にひどい態度を取り傷つけてしまった場面を想像してみます。そして相手から許されたとき、心が軽くなった感覚はありませんか? このステップで、他人を許すことはお互いにとって精神的に利益があることがわかります。
STEP 4 許す、手放す(Commit)
嫌な相手を「お元気で、さようなら」というように手放しましょう。嫌な相手にこだわり続けることは、自分にとって不利益であることに気づけばOK。頭のなかで手を振るようにして相手から離れましょう。
STEP 5 維持する(Hold)
STEP 1〜4を行っても相手の態度が変わるわけではありません。また嫌なことが起きてしまうこともあるでしょう。その場合、STEP1〜4を繰り返すことが大切です。何度も行うことで相手への執着が薄れていきます。
中島 輝
心理カウンセラー