人間関係の悩みを「ポジションチェンジ」で客観視
人間関係係がうまくいかないときは、「ポジションチェンジ」を試してみましょう。これはNLP(神経言語プログラミング)のひとつで、文字通り立場を入れ替え、相手の感情や言動の背景を理解するための方法です。
例えば、あなたの仕事を細かくチェックする先輩がいたとします。あなたはいい気がしません。ポジションチェンジでは、まずイメージのなかでその先輩に自分の思っていることを伝えます。そして今度は、その先輩の立場で自分(先輩)の考えを伝えます。イメージのなかで一人芝居をするのです。すると、口うるさいと思っていた先輩が、実はあなたを一人前に育てようと思っているといった背景に思いが至ります。立場を変えてみることで、違った景色が見えてくるのです。
★ポジションチェンジのテクニック
対人関係に悩みがあるとき、身のまわりのものを擬人化してみると客観的に問題と向き合いやすくなります。
例えば、上司に怒られたときを思い出してネガティブな気持ちになったとします。そのとき、身のまわりのものを上司と自分に見立てて擬人化してみます。
そうすることで、自分と上司のポジションをチェンジしやすくなり、上司がなぜ怒ったのか客観的に考えられるようになり、問題解決力が高まるのです。
【Point】「知覚位置」を意識しよう
「知覚位置」とは、私たちがなにかを認識するとき、その位置によって情報が異なるという考え方です。例えば、円柱は横から見ると四角い形で、上からは丸く、斜め上からは立体的な円柱に見えます。このように自分が大切だと思っているものごとも、相手にとってはそうではないということがあるのです。この考え方ができれば、ポジションチェンジが身につきます。
感情が「表情や行動への意識」で生まれるなら…
表情や行動は感情に左右され、楽しいと笑い、悲しいと涙が出てくると考える人が多いことでしょう。それとは反対に、感情は表情や行動を意識することで生まれるとする「ジェームズ=ランゲ説」があります。
この説に基づいた研究で、笑うことによって免疫力がアップしたり、血液中の成分が改善されたりといった効果が出ることがわかっています。
しかもそれらは、本物の笑いでもつくり笑いでも同じ効果があります。つまり、“形から入る”ことで、感情をいい方向に持っていくことができるのです。
なにもないのにニコニコしていると周囲の人に怪訝な目で見られますが、コロナ禍の今ならマスクの下の表情は誰にもわかりません。イライラしたときはマスクの下で口角を上げてみてください。その表情が、あなたをイライラ感情から解放します。
★イライラしたときはニコッとする
イライラして集中できないとき、あれこれ考えるより口角を上げて気持ちを切り替えましょう。ストレスをコントロールすることができます。
イライラしているときや、落ち着かないときは口角を上げてみましょう。つくり笑いでOKです。副交感神経に作用して苛立ちを解消する効果があります。マスクの下で10秒間笑顔をキープするといいでしょう。
【Point】笑顔は免疫力をアップさせる
笑顔は健康にもいい影響をもたらします。笑うことでナチュラルキラー細胞(NK細胞)という、ウイルス感染を防ぐ細胞が活発になります。そのため、免疫力の向上につながるのです。また、笑うことで脳への血流がよくなり、血管のつまりから起こる脳梗塞などの病気を予防することができるといわれています※。毎日の生活に笑いを取り入れるといいでしょう。
※『笑いと健康』昇幹夫著(美健ガイド社より)
中島 輝
心理カウンセラー