(※画像はイメージです/PIXTA)

人生で最も高い買い物と言われる住宅。住宅ローンを組む際には、支払い方法や金利タイプなどの選択が重大です。この先数十年と続く支払い期間を、より負担の少ないものにするために、今一度住宅ローンの基本に立ち返り、解説します。

「元利均等返済」と「元金均等返済」

住宅ローンを返済するには、基本的に大きく分けて2つの方法があります。それが「元利均等返済」と「元金均等返済」です。

 

「元利均等返済」とは、毎月支払う返済額が一定の返済方法です。利息の割合に関係なく、毎月同じ額を納めます。一方、「元金均等返済」とは、毎月支払う返済額のなかで、元金の額が一定の返済方法です。月の返済額がいくらでも、支払う元金の額が変わることはありません。

 

「元利均等返済」は返済額が一定であるため、返済計画の見通しが立ちやすいだけでなく、「元金均等返済」と比較して、ローン返済開始当初の返済額を少なくすることが可能です。ですが、借入金残高の減り方が遅く、他方よりも総返済額が多くなるという重大なデメリットがあります。

 

一方、「元金均等返済」とは、「元利均等返済」と比較して元金の減少が早く、総返済額も少なくなります。「元金+金利」である月の返済額も、返済が進むにつれ少なくなっていくというメリットがあります。ですが、ローン返済期間のうち、返済開始当初の返済額が最も高いため、所得とのバランスを考慮すると負担が重くなる傾向にあります。

 

前述の「未払利息」は、毎月支払う返済額が一定である「元利均等返済」を、選択した場合に起こり得ます。

払っても払っても終わらない「未払利息」の恐ろしさ

先ほど3つ目の金利タイプとして解説した「変動金利型」は、原則、金利が半年ごとに見直されますが、一方で「元利均等返済」の見直しは一般的に5年ごとです。

 

例えば、とある一定の返済額を支払っている5年間の間に、半年ごとの金利見直しで金利が上がってしまうと、月の返済額よりも月の利息が上回ってしまうということが起こります。この、月の返済額に収まりきらなかった月の利息こそが「未払利息」です。

 

毎月の返済はしているのに、ローン残高は1円も減らず、ひたすら利息分を支払い続ける。このような状態が出来上がり、完済の目途が立たなくなってしまいます。この「未払利息」の清算方法は借り入れをする金融機関によって異なりますが、一般的には、月額の返済額とは別途、支払わなければならないものです。

 

このように、「未払利息」は住宅ローンの恐ろしい落とし穴と言えるでしょう。

 

住宅ローンの返済方法や、金利タイプの選択は、わたしたちの生活への干渉が非常に大きい重大な選択です。未来のことを確実に予測することはできませんが、借入時の所得や、ライフプラン、さらには自身や家族の消費傾向などとも照らし合わせて、出来る限り慎重に選択することをお勧めします。

 

激震! コロナと不動産 価値が出るエリア、半額になる物件

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榊 淳司

扶桑社

地殻変動が起きた2020年の不動産業界。2019年の自然災害、2020年の新型コロナ禍の影響で、タワーマンションや郊外のベッドタウン、商用不動産の価値はどのように変化していくのか? 2021年以降に不動産の購入を検討している人…

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