前回は、住宅のコンクリート内部を高度に診断する方法について説明しました。今回は、小さなキズや汚れでも見逃してはいけない理由について見ていきます。

キズや汚れを発見した際には必ず「記録を残す」

ポイント⑤ ドア・窓枠の細かなキズは証拠を記録する

家が完成すると、それまで建築工事に使っていた足場を解体します。このときに起こりがちなのが、足場をぶつけてドアやサッシにキズを付けてしまうことです。

 

新築物件の場合には、こうした小さなキズひとつについても、引き渡し前に確認するようにしてください。

 

住宅の性能や安全性に直接的な影響はありませんが、住宅の購入は一生に何度もない大きな買い物ですから、可能な限りダメージのない状態で手に入れたいと思うのは当然です。

 

もし、引き渡し後に気づいた場合は、パワービルダー系の建売業者の場合は、原則的に傷、汚れ、隙間の類は、補修してもらえませんので注意が必要です。こうしたキズを見つけたときには、図面に書き込んだり写真を撮るなどして記録を残しておいてください。

小さなキズがあれば雑な工事が行われている可能性も…

1カ所だけなら目をつぶってもいいと思えるかもしれませんが、傷がひとつあるということは、それだけ雑な工事が行われていて、複数の箇所にダメージが潜んでいる可能性があります。

 

施工者の過失であることを正確に指摘するためにも、メモや写真で記録しておくことを忘れないようにしてください。小さなキズをつけても気づかずにいる施工業者だということは、他の箇所についても同じようなことが起きている可能性が高くなります。

 

「このぐらいは仕方ない……」と見逃さずに、小さなキズひとつから大きな瑕疵を発見することにもつながると考えて、念入りにチェックしましょう。

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    本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    こんな建売住宅は買うな

    こんな建売住宅は買うな

    田中 勲

    幻冬舎メディアコンサルティング

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