3回目の新型コロナウイルスのワクチン接種が2021年12月から始まりましたが、いま「若年の接種率の低さ」が懸念されています。本記事では、2022年3月にニッセイ基礎研究所が実施した「第8回新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」の結果を用いて、村松容子氏が3回目のワクチン接種状況および今後の意向、接種を希望しない理由について年代別にみていきます。
3月末での3回目のワクチン接種意向…接種意向は49歳以下と50歳以上で隔たり。副反応の不安・交互接種の不安は依然として高い (写真はイメージです/PIXTA)

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ワクチン接種状況

1~2回目のワクチン接種状況…12月末調査と大きな差はない

 

2022年3月末の時点で、新型コロナウイルスのワクチンについて、「二回目まで接種を完了している」は全体の84.3%だった。「一回目の接種(または接種予約)は終えている」が1.0%、「まだ予約しておらず、しばらく様子を見てから接種したい」が2.3%だった。

 

一方、「あまり接種したくない(5.6%)」または「絶対に接種したくない(6.8%)」は、合わせて12.4%だった。2回目までの接種状況は、12月末調査以降、大きくは変わっていない。

 

3回目のワクチン接種希望…49歳以下と50歳以上で隔たりがみられる

 

続いて、1~2回目のワクチンについて、「2回目まで接種を完了している」または「1回目の接種(または接種予約)は終えている」と回答した2,204人を対象に、3回目の接種状況および今後の接種意向を尋ねた。

 

その結果、「3回目の接種を終えている」は、全体で48.8%、「3回目の接種日は決まっており、接種日を待っている」が13.9%、「まだ接種日は決まっていないが、すぐにでも接種したい」が14.2%、「まだ接種日は決まっていないが、しばらく様子を見てから接種したい」が16.2%だった。「あまり接種したくない」は5.9%、「絶対に接種したくない」は0.9%で、接種したくないと考えている割合はあわせて6.8%だった。

 

1~2回目の接種を終えている人が3回目接種の対象となるため、ワクチン自体を忌避する人は多くはないと思われる。

 

2021年12月末調査と比較すると、接種は進んでおり、「しばらく様子をみてから接種したい」「あまり接種したくない」「絶対に接種したくない」といった、すぐには接種を希望しない割合は、54.4%から23.0%に大幅に低下していた。

 

年代別にみると、接種は高年齢ほど進んでおり、70~74歳では89.4%が3回目を終えていた。3回目のワクチンは、2回目の接種から6ヵ月以上経過するまで打つことができないことも若年の接種が遅い要因の1つとなっていると考えられる。

 

そこで、「3回目の接種を終えている」「3回目の接種日は決まっており、接種日を待っている」「まだ接種日は決まっていないが、すぐにでも接種したい」といった3回目の接種に前向きな考えをもつ人の割合で比較すると、50歳以上が8割を超えて高いのに対し、49歳以下では7割に満たないことから、49歳以下と50歳以上で隔たりがありそうだ。

 

[図表1]3回目のワクチン接種状況・意向
[図表1]3回目のワクチン接種状況・意向