5月の社会保障審議会年金部会では、2023年9月や2024年1月に続いて、国民年金の第3号被保険者制度が議論された。ニッセイ基礎研究所の中島邦夫氏が、制度の仕組みや廃止した場合の影響、廃止以外の方策を解説する。
新NISAスタートから半年が過ぎようとしている。これまでの運用成績は概ね良好とみられるが、日米欧金融政策が転換期にあるうえ11月には米大統領選挙も控える。地政学リスクが再び市場を揺さぶる可能性も否定できない。株式市場のボラティリティ(変動率)は高い状態が続きそうだが、一般の長期投資家はどのように振る舞えばよいのだろうか。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏が、過去データで検証した。
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長期では上昇も、短期的には乱高下を繰り返した
はじめに、主要な株価指数(配当込み)の長期パフォーマンスを確認しておこう。1994年1月~2024年5月の30年5ヶ月間でTOPIX(東証株価指数)は約3.2倍(年率リターン3.9%)、MSCI-ACWI(全世界株式)は約14.5倍(同9.2%)、S&P500は約28.5倍(同11.6%)になった。
長期では上昇したものの、ITバブル崩壊(2000年)、リーマンショック(2008年)、チャイナショック(2015年)、コロナショック(2020年)のときは株価が大幅に下落した。ほかにも短期的に株価が急落する場面は何度もあった。反面、アベノミクス初期や24年1月~2月のように短期間で大きく上昇したことも数え切れないほどある。
分析対象とした365ヶ月のうち、1ヶ月間に10%以上上昇または下落した月数を数えると[図表2]、10%以上上昇した月は3指数とも10回以上、10%以上下落した月は7~11回だ。
ちなみに現在の日経平均株価を3万9,000円として、これが10%上昇すると4万2,900円だ。24年3月につけた史上最高値4万888円(終値ベース)を2,000円以上も上回る。1ヶ月間で10%の上昇がどのくらい大きいかイメージが湧くだろう。