3回目の新型コロナウイルスのワクチン接種が2021年12月から始まりましたが、いま「若年の接種率の低さ」が懸念されています。本記事では、2022年3月にニッセイ基礎研究所が実施した「第8回新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」の結果を用いて、村松容子氏が3回目のワクチン接種状況および今後の意向、接種を希望しない理由について年代別にみていきます。
3月末での3回目のワクチン接種意向…接種意向は49歳以下と50歳以上で隔たり。副反応の不安・交互接種の不安は依然として高い (写真はイメージです/PIXTA)

年代別・接種意向別…若年に多いのは「注射が苦手」「面倒」。高年齢に多いのは“ブースター・交互接種の不安”や「基本的な感染予防対策で十分」

 

続いて、年代と、3回目のワクチン接種意向別にみる[図表3]。

 

[図表3]3月末におけるすぐには接種を希望しない理由(年代・接種意向別)
[図表3]3月末におけるすぐには接種を希望しない理由(年代・接種意向別)

 

20~30代に多かったのが「注射が苦手だから」で、20代では「まだ家族や友人など身近な人がブースター接種をして問題がないことが確認できていないから」「接種することが面倒だから」「接種会場での感染リスクがあるから」も他年代よりも高かった。

 

すぐには接種を希望しない理由としてもっとも多かった「副反応が心配だから」は、40代以下で高く、40代以下の中では年齢が高いほど高かった。

 

[図表1]で示したとおり、50代以降ですぐには接種を希望していない人は少数派となるが、理由をみると、50代では「まだ予約券(接種案内)が届いていないから」「接種の日時や会場に拘束されたくないから」「ワクチンの種類を選びたいから」が、

 

60~74歳では「ブースター接種による副反応などの情報が少ないから」「ブースター接種による効果が明確ではないから」「基本的な感染防止対策(マスクや手洗い・うがいなど)で十分だと思うから」が高かった。

 

3回目のワクチン接種意向別にみると、「しばらく様子を見てから接種したい」では、「まだ予約券(接種案内)が届いていないから」「まだ医療従事者や、高齢者など重症化リスクの高い人のブースター接種が終わっていないから」「ワクチンの種類を選びたいから」が高く、「あまり接種したくない」または「絶対に接種したくない」では、“副反応の不安”「ブースター接種による効果が明確ではないから」“3回目不要”が高かった。

 

ニッセイ基礎研究所がこれまでに実施した調査では、接種が進んでいないことを理由に、「しばらく様子を見たい」と回答している人は、医療従事者や高齢者等の接種が進むと自身も接種する傾向が見られたことから、3回目のワクチンにおいても、同様に周囲の接種が進むと順次接種していくと考えられる。