介護離職は、介護側の「お金」にも「心身」にも大きなダメージをもたらします。仕事と介護を両立させるには、どうすればよいのでしょうか? 安藤なつ氏(メイプル超合金)、介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子氏による共著『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(KADOKAWA)より、仕事を辞めずに親の介護と向き合うための「おトクな制度」を解説します。
介護休業中でも「もらえるお金」がある
安藤さん「介護のために仕事を休むことができる法律があることはわかりましたが、休んでいる間は無給ですよね。」
太田先生「通常無給ですが、介護休業をする前の2年間のうち12ヵ月以上、雇用保険に加入していれば介護休業給付金が支給されます(図表5)。」
安藤さん「正社員じゃなくてもいいんですか?」
太田先生「パートでも雇用保険に所定の期間加入していれば、対象となります。」
安藤さん「それは助かりますね。いくら休んでいいといわれても、収入がないと安心して休めませんから。で、いくらもらえるんですか?」
太田先生「計算方法は図表6の通りで、休業開始時の賃金日額に支給日数をかけて、その67%が支給されます。最大93日分です。ざっくりですが、月額が平均15万円の場合は10万円程度、月額が平均20万円の場合は13.4万円程度が支給されます。」
安藤さん「給料の3分の2程度でもあるかないかは大違いですよね。これだけあれば安心して仕事を休めます。」
太田先生「介護休業給付金の支給期間単位は原則として30日で、申請は事業主を経由して行います。支給が決定したら1週間程度で振り込まれます。」
安藤さん「わかりました! 知らないだけで、いろんな制度があるんですね。」
太田先生「企業によっては、福利厚生として介護支援メニューを用意しています。知らずに使っていない人が多いのですが、せっかくの制度ですから使わないともったいないです。調べてみるといいですよ。」
メイプル超合金・安藤 なつ
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)
太田 差惠子
介護・暮らしジャーナリスト
メイプル超合金
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)
1981年1月31日生まれ、東京都出身。2012年に相方カズレーザーと「メイプル超合金」を結成。ツッコミ担当。
2015年M-1グランプリ決勝進出後、バラエティを中心に女優としても活躍中。介護職に携わっていた年数はボランティアも含めると約20年。
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を持つ。厚生労働省の補助事業『GO!GO!KAI-GOプロジェクト』の副団長。
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連載安藤なつ(メイプル超合金)が聞いてきた! 弱った親と自分を守る「お金とおトクなサービス」超入門
介護・暮らしジャーナリスト
京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。企業、組合、行政での講演実績も多数。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格も持つ。
一方、1996年親世代と離れて暮らす子世代の情報交換の場として「離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ」(http://paokko.org/)を立ち上げ、2005年法人化した。現理事長。
2012年立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士課程修了(社会デザイン学修士)。
【主な著書】
『親の介護で自滅しない選択』(日経ビジネス人文庫)、『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)、『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版』『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第2版』『子どもに迷惑をかけない・かけられない! 60代からの介護・お金・暮らし』(以上翔泳社)など多数。
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