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「見えない部分のリフォーム」どこまで必要?
システムキッチンやトイレ、バスルームといった水回り設備の位置を大幅に変更する場合、表から見えない部分、すなわち床下や壁内にある配管の移設工事が必須となります。配管とは、水道水を住宅内へ引き込む「給水管」と、使用後の水を公共下水管へと運ぶ「排水管」のことです。
移設工事は大掛かりで、まず床や壁を剥がして中の配管を外し、新たな水回り設置箇所まで伸ばした後、仕上げに新たな床や壁を張り戻すという新築に近い工程で、当然費用も高額になります。
配管工事が必要なのは水回り設備移設の時だけに留まりません。配管自体の老朽具合によって新しいものと交換する工事(配管更新工事)を行う必要もあるのです。住宅内の配管設備に使用されている素材はさまざまで、昭和から平成初期は鉄管、鉛管などが使われていました。
これらは錆びやすく耐用年数が短いため、近年ではより耐用年数の長いポリエチレン管や、錆びにくく強度も高いステンレス管へと移行されています。配管交換時期の目安としては、鉄・鉛管は20年程度、ポリエチレン管・ステンレス管では30年程度といわれます。ちなみに配管更新工事(それに伴う床・壁工事は除く)の目安は戸建住宅で50万円前後、マンションで70万円前後になります。
現状有姿販売の中古住宅をフルリフォームする場合、リフォーム業者に見積を依頼すると必ず「フローリングを張り替えるなら、一緒に床下配管も交換(更新)した方が良いのでは?」と提案されます。確かに、一度張ったフローリングを数年後に剥がして配管更新工事をするのなら、フローリング工事と同時にやってしまった方が面倒ではありませんし、余計な費用もかかりません。
しかし、前の所有者が近年交換している可能性もあります。それであれば配管更新工事の必要はありません。過去のリフォーム状況は、売買契約や物件引き渡し時に売主から手渡される「物件状況報告書」に記載されていますので確認しておきましょう。
こだわりがあるなら「現状有姿物件」がおすすめ
現在販売中のリノベ済み物件と現状有姿物件を比較してみると、1~2割ほどの価格差があることがわかります。たとえば、6,000万円のリノベ物件を妥協して買うなら、近隣同築年の現状有姿物件を購入し、1,000万円程度の予算をかけてリフォームした方が賢明といえます。
過去、イタリア職人のハンドメイドフローリングが施された邸宅の売却に携わったことがあります。当時の周辺相場は坪単価500万円程度でしたが、その物件は坪単価900万円でインテリアデザインに共感した外国人投資家へと売却されました。無難なインテリアは万人受けしますが、競合物件も多数存在します。個性的なリフォームは売却時の差別化にもつながるのです。
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