(※写真はイメージです/PIXTA)

街や住まいへ電力を供給する送電線は、毎日の暮らしになくてはならないものです。しかし、その直下や送電塔に隣接する土地は、価格査定において低く評価される傾向にあります。その評価基準や、登記上の取り扱われ方、そこで建物を新築する際の問題点などについて解説します。

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      高圧線下地が減価される具体的な要因

       

      高圧線下地の評価額は、以下のような要因により近隣相場から減価されます。

       

      ●地役権が設定されると建造物等築造の際に高さの制限がかかってしまう。

      ●送電線が発する電磁波によって住宅のテレビ・ラジオ等に電波障害が出てしまう。

      ●送電塔が住宅の眺望を遮るなど生活者に圧迫感を与えてしまう。

      ●送電線が発する電磁波による人体への健康被害が懸念される。

      ●高圧線下地の所有者が地役権設定時に受け取った権利金相当額が減価される。

       

      これらの要因を鑑みて不動産鑑定士が個別評価を行うことになりますが、その減価率は対象地の路線価に対し15~35%程度といわれています。

       

      たとえば前面道路の路線価から算出した土地総額が1億円であった場合、高圧線下地の価格は良くて8,500万円、最悪6,500万円まで下がってしまうということです。

       

      このように、高圧線下地は近隣相場より安価で購入できる傾向にあるため、減価要因にあるようなデメリットが気にならない人にとっては“お買い得”であるといえます。

       

      ネット環境が整備されたことでテレビ・ラジオ等の電波障害は気にならなくなりましたし、自宅用地でなくとも賃貸住宅用地として考えるという手もあるでしょう。

       

      基本的に、送電塔の近接地や送電線下の土地に住宅を建てることはできます。実際、電力会社の社宅や社員寮は送電塔近くの土地に建てられていることが多くあります。現在はそれらの土地がハウスメーカーなどに一括売却され、高さ制限をクリアしつつ周囲の住宅街と遜色ない体で新築・分譲されています。

       

      高圧線下地は、東京23区内では「下北沢」「三軒茶屋」「駒沢」「都立大学」「大岡山」「洗足池」と世田谷区から目黒区へ連なる送電ルートと、江戸川区の「小岩」周辺、葛飾区の「亀有」「金町」、北区の「王子神谷」、板橋区の「高島平」など変電所が集中するエリアに多くあると推測され、これらの周辺で比較的安価な土地が売り出される可能性は高いと考えられます。

      日本の「無電柱化」は遅れている

       

      土地の高度利用が進む都心部では、送電塔や電柱を建てるスペースがないため、送電線は地下トンネル(電線共同溝)に埋設されています。

       

      国土交通省では「景観・観光」「安全・快適」「防災」の観点から都市部の無電柱化を推進しており、とくに地震、竜巻、台風といった大規模災害が起きた際の電柱倒壊による道路の寸断を防止するための工事を急務としています。

       

      日本の無電柱化構想は1980年代からはじまり、2020オリンピック・パラリンピック開催をひとつの目標に工事が進められてきました。しかし、電線共同溝の新設工事は地上に建つ送電塔や電柱設置工事と比べてコストが高く、また管理体制においてもトラブルが露見しにくいうえに、メンテナンスも困難というデメリットがあります。

       

      そのため、香港・シンガポールといったアジア主要都市が無電柱化100%を達成しているのに対し、日本国内の無電柱化は遅々として進んでいないのが実情で、東京都であっても達成率5%と低水準に留まっています。このような状況から考えれば、今後まだまだ高圧線下地の売買は継続されていくことが予想できます。

       

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        ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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