コロナ禍により、社会も企業も急速なデジタル化の推進が急務となりました。しかし一方で、これまで水面下にあった「情報セキュリティにまつわるリスク」が次々と明らかになり、人々を震撼させています。今後一層進む情報化社会の安全を担保するには、どのような対応が求められるのでしょうか。情報マネジメントシステム構築のエキスパートが、具体的な方策を指南します。

進展する情報活用社会…収集・蓄積データも急増

2020年7月、日本政府は「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を発し、「データがヒトを豊かにする社会の実現」に向けた官民データ活用推進基本計画を公表しました。

 

そのなかで政府は、今後積極的にデータ活用を進める準公共分野として、健康・医療・介護・教育・防災・モビリティ・農業・水産業・港湾・インフラを挙げています。すでに行政サービスの電子化、マイナンバーの活用、民間の利用に供するためのオープンデータの取り組みなどが活発に進められています。

 

また民間企業においても、マーケティングや新たなサービス・商品の開発を目指したデータ活用が急拡大しています。総務省が2020年に報告した企業アンケートによれば、5年前の調査に比べeコマースにおける販売記録データやPOS(point of sales 販売時点情報管理)データの活用に取り組む企業は3倍以上になっています。

 

またWEBサイトへのアクセスログや動画・映像視聴ログ、ブログやSNSの記事データ、GPSデータ、防犯・監視カメラデータの活用についても2倍から、多いものでは5倍以上に増加しています。eコマースやさまざまなクラウドサービスの普及、センサーの性能向上や小型化などにより、企業のもとに収集・蓄積されるデータは爆発的に増大しています。

 

これらのデータを最も巧みに活用したものがビジネスの勝者となり、次の社会のサービスのスタンダードをつくり上げるという時代になっています。

 

この新たな情報活用社会には、データの活用に伴うプライバシーへの配慮や情報セキュリティの確保が欠かせません。データの管理を適正に行うことを置き去りにして活用のみが進み、機密情報漏えいなどの事故を起こせば、情報の活用そのものにブレーキがかかりかねません。実際、漏えい事故は増加を続けているのです。

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仲手川 啓

幻冬舎メディアコンサルティング

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