「バリュー株=割安株・グロース株=成長株」ともいう
バリュー株は割安株とも呼ばれ、企業が⽣み出している利益や保有資産などから算出される企業価値と比較して、株価が低い状態(割安)にある銘柄を指します。⼀般的にバリュー株かどうかを判断する際にはPBR(株価純資産倍率)とPER(株価収益率)を使⽤します。競合他社や⾃社の過去平均等との⽐較で⾼いと割⾼、低いと割安と考えることがあります。なお、PBR1倍未満は、企業の清算価値を下回った株価⽔準を意味することがあります。
グロース株は成⻑株とも呼ばれます。成⻑性や将来性に対する評価が高いことから、PERやPBRは市場平均よりも高い傾向にあります。
◆バリュー株の代表例
バリュー株には、すでに成熟した業種の企業や、業績が安定していて利益も着実に出しているものの、知名度や話題性の低い企業が多く該当し、銀⾏業や製造業等が多い傾向があります。
◆グロース株の代表例
グロース株には業績が急拡⼤している企業や⾰新的なサービス・商品を提供している企業が多く該当し、ITやテクノロジー関連企業等が多い傾向があります。
◆バリュー株とグロース株、景気・⾦利のサイクルで異なる動きをする傾向
1975年以降、景気や企業業績の拡大、GAFMA*の世界的台頭前であったこと等を背景に、バリュー株優位の期間が30年以上続きました。
⼀⽅で、2007年以降は世界経済の低成⻑、低⾦利等を背景に、グロース株優位の期間が続いていました。
⾜元では、コロナショックからの経済活動正常化への期待や⻑期⾦利の上昇等を受けてバリュー株の相対株価に反転の兆しがみられます。
◆金利上昇局⾯でグロース株が下落するのはなぜ︖
グロース株は⼀般的にPERが⾼く、PERの逆数である株式益利回りが低い傾向にあります。⾦利上昇局⾯では、PERが⾼い株は⾦利と⽐較した益利回りの低さから相対的な投資魅⼒が低下し、売られやすくなる傾向があります。
【例】
A株︓株価100円、PER10倍 ⇒ 益利回り10%
B株︓株価100円、PER50倍 ⇒ 益利回り2%
⇒ PERの⾼いB株は、益利回りが低いため、⾦利が上昇すると投資魅⼒が低下し売られやすい
◆補足
予想PER(株価収益率)
特定時点の株価を予想EPS(1株当たり利益)で除した倍率です。⼀般的に、利益からみた株価の割⾼、割安を判断するために⽤いられます。
PERが、競合他社や⾃社の過去平均等との⽐較で⾼いと割⾼、低いと割安と考えることがあります。なお、予想利益の成⻑率が⾼いほど、予想PERは⾼くなることがあります。
PBR(株価純資産倍率)
特定時点の株価を決算期末BPS(1株当たり純資産)で除した倍率です。
⼀般的に、純資産からみた株価の割⾼、割安を判断するために⽤いられます。
PBRが、競合他社や⾃社の過去平均等との⽐較で⾼いと割⾼、低いと割安と考えることがあります。なお、PBR1倍未満は、企業の清算価値を下回った株価⽔準を意味することがあります。
株式益利回り
株価の割安性を表す指標で、株価(=投資元本)に対して、1株当たり利益(=投資リターン)がどれだけかを表しています。
PERの逆数(1/PER)となり、通常、PERが低いほど株価が割安とされるのに対し、株式益利回りは⾼いほど株価が割安と判断されます。
※個別銘柄に⾔及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『バリュー株とグロース株の違いは︖』を参照)。
(2021年12月10日)
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