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「高くならなさそう」な中古モデルも年々価格が上昇
中古腕時計相場の値動きは20年前から起こっていましたが、現在と比べるとずいぶん地味な値動きで、注視していないと見過ごしてしまうぐらい、わかりづらいものでした。
「数ヶ月で数十万円」の値上がりも多くはなく、起こるとしても数年に一度といったタイミングだったかもしれません。そういった派手な上昇は、人気モデルの一部から徐々に始まりましたが、その対象となるモデルは年々増加しています。
たとえば1990年代後半には、新品実勢価格が定価より高い状態、すなわちプレミアム価格がつくのはデイトナとエクスプローラーだけでしたが、今ではロレックススポーツ系のほぼすべてがそういった状態といっても過言ではありません。
中古相場がそれなりに上昇するモデルは年々増加傾向にあり、とくに2020年夏から一気に増えてきました。
その例にあてはまるのが、「以前は、“高くならなさそう”」な印象だったモデルの数々です。デイトジャストの16233は、その筆頭格。長らく38万円程度で購入可能でしたが、2021年に60万円以上という水準に達しています。
近頃はK18素材モデルの伸びが注目されます。K18モデルは「最高級」の位置づけですが、これまで中古相場での評価はあまり高くない傾向がありました。実際、“ステンレスモデルは定価超えの状態なのに、K18モデルが定価を大幅に下回っている”のは、ごく普通のことでした。
ところが2020年夏頃から、K18モデルの上昇が目立ちはじめたのです。
ロレックスを例にとると、ホワイトゴールドモデルのデイトナ116509は、2020年春頃に260万円ほどの水準だったのが、2020年夏以降には400万円以上にまで上昇しています。
一方、K18モデルのデイデイト18238は、コンビモデルのデイトジャスト16233同様、長年値動きしない状態が続いていましたが、2020年11月、2021年6月に大きな変化がありました。長らく120万円前後の水準だった18238が、2021年現在では190万円以上にまで上昇しているのです。
パテック フィリップのカラトラバに関しても、複数モデルが目立って上昇する傾向にあり、最もオーソドックスな5196の18Kモデルも、100万円単位の上昇幅となっている様子です。
ロレックスやパテック フィリップは人気ブランドですから、以前から値動きしていたように思われるかもしれませんが、デイトジャストやカラトラバといった非スポーツ系のオーソドックスモデルは、それほど派手な値動きをすることがありませんでした。
それが2020年夏以降から、スポーツモデルのような派手な変動をするようになったのです。
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