脱炭素後進国のはずが...…経産省の発表「日本企業の6割が省エネ優良企業」は本当なのか (※画像はイメージです/PIXTA)

2050年カーボンニュートラル達成まで約30年。世界的な脱炭素の波に乗り遅れ、脱炭素後進国と化した日本は、どのように「省エネ」という課題と向き合っていくべきなのか。ヴェリア・ラボラトリーズ代表取締役社長の筒見憲三氏が解説します。

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「省エネ法」は日本の省エネ化にどう役立ってきたのか

直接・間接的な規制によりエネルギーの使用の合理化を図ることを目的とした省エネ法が、その制定以来、わが国の省エネルギー・エネルギー効率化にどのように役立ってきたのでしょうか。

 

もちろん、1979年の制定後すでに40年以上が経過しており、実際にその間には社会的な環境も大きく変化しており、その変化に応じて中身の措置類もかなり変わってきておりますが、総じて評価すると、前半の20年間は十二分に機能し、わが国の省エネルギー・エネルギー効率化をかなり大幅に押し上げてきました。

 

一方、現在まで続く後半の20年間は、かなり行き詰まり感が出てきており、制度の中身自体は精緻化・複雑化しつつも、規制の対象となっているエネルギー使用者にとって受け身的な「やらされ感満載」になっているのではないでしょうか。

 

もちろん、トップランナー制度など、導入来、メーカーの製造商品における省エネルギー・エネルギー効率化には十分な効力を発揮しているものもありますが、特に、直接規制の対象である事業者においては、形骸化した定期報告書・中長期計画書の提出や複雑化したベンチマーク制度(後ほど詳述)への対応などには、それらへの報告対応作業だけに終始して、本来の省エネルギー・エネルギー効率化への前向きな対応にはつながっていないのではないでしょうか。

 

これらの率直な疑問点等は、筆者が省エネルギー・エネルギー管理支援事業者としてさまざまな営業現場を廻ってきた時に得た実感です。

「事業者クラス分け評価制度」とは何か

また、提出が義務づけられている定期報告書等の内容から、「事業者クラス分け評価制度」というものがあります。

 

そこでは事業者をS(優良事業者)・A(一般事業者)・B(停滞事業者)・C(要注意事業者)へとクラス分けをします。

 

Sクラスの事業者は、優良事業者として経済産業省のホームページで公表されます。一方、Bクラスとして省エネが停滞していると判断された事業者は、エネルギー消費原単位等の推移を確認するため「立入検査」「工場現地調査」が行われる場合があり、さらに要注意事業者となったCクラスでは、立入検査の時点で指導等が行われます。

省エネ化は本当に進んでいるのか…実態は不明瞭

[図表]事業者クラス分け評価制度

 

 

資源エネルギー庁が公開している最新の事業者クラス分けの結果を図表に示します。このデータから分かるように、すでに5年以上前から、Sクラス事業者が約11400社ある対象事業者全体の6割近くなっております。

 

この事実は、これはSクラス基準が甘すぎるのではないか、あるいはもうこれ以上の余地がなく本当に「絞り切った雑巾」状態なのか、つまり、本当に省エネルギー・エネルギー効率化が進んでいるのかどうか、まだ余地があるのかないのかなど、現場での実態がよく分からない状態となっております。


 

 

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筒見 憲三

愛知県犬山市出身。 1979年京都大学工学部建築学科卒業、1981年同大学院工学研究科建築学専攻修了後、 大手建設会社に入社。 1991年ボストン大学経営学修士(MBA)取得。 1992年(株)日本総合研究所に転職。 1997年(株)ファーストエスコの創業、代表取締役社長に就任。 2007年(株)ヴェリア・ラボラトリーズを創業。代表取締役社長に就任し現在に至る。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『データドリブン脱炭素経営』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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