(※写真はイメージです/PIXTA)

これまでにないペースで感染が拡大する新型コロナの「オミクロン株」。感染力の強さを示す報告が世界中から相次ぎ、2回のワクチン接種だけでは発症の予防は難しいことが分かってきました。感染急拡大を受けて、ワクチンの3回目接種(以下、追加接種)が日本でも始まりました。追加接種は怖くないのか、その効果はどうなのか、総合診療医が体験談をまじえつつ解説します。

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当時は腕が腫れて、接種した左腕が重かった

筆者は、勤務先の病院で3回目接種を終えました。2回目接種時にも腕の腫れと発熱がありましたが、3回目接種後も当日は接種した左腕が腫れました。接種の翌日は日中にだるさが強くなり、夕方からは38度の発熱がでました。接種2日目以降はだるさと接種した部位の脇の痛みを感じましたが、日々の業務はこなすことができました。

 

本原稿執筆時は接種から2週間程度経過していますが、今は何ともありません。2回目接種のときと副反応はあまり変わらなかったように思います。

「追加接種の効果は高い」は本当か?

追加接種した人は、追加接種しなかった人と比較して新型コロナウイルス感染症による死亡を90%予防したとの報告があります1)。この報告は最も新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んでいる国の一つであるイスラエルからの報告です。イスラエルではワクチン接種が進んだことにより新型コロナウイルス感染症の流行は下火になりましたが、デルタ株の流入により、昨年8月に流行が再燃しました。そこでファイザー製のワクチンの追加接種が始まりました。

 

2回目接種から5カ月以上経過した50歳以上の市民が対象です。65歳以上の高齢者が研究参加者の60%を占め、治療中の病気も高血圧、糖尿病、心臓病などと読者の皆様と少し似ているかもしれません。この報告では、追加接種群では1日で10万人のうち0.16人しか新型コロナウイルス感染症で死亡しないのに対して、追加接種しなかった群では2.98人死亡するというのです。

 

イスラエルからは追加接種が新型コロナウイルス感染症の重症化を防いだとの報告もあります。追加接種の効果はやはりホンモノのようです。

追加接種の副反応は2回目と同程度

厚生労働省は、追加接種の副反応は2回目と同程度と報告しています2)。これは昨年12月24日に報告された2248人の医療従事者が対象の調査で、対象者の半数は30歳~50歳です。主な副反応は、接種部位反応(接種した部分の痛みや赤みなど、(89.6%)、だるさ(70.8%)、頭痛(56.1%)、37.5度以上の発熱(39.5%)でした。なお、脇の痛み(5.03%)とリンパ節腫脹(1.33%)は3回目のほうが多かったようです。10.3%の人が接種翌日を中心に仕事を休んだようです。最長22日間の観察では、重大な副反応はみられなかったと報告されています。

 

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