自営業者やフリーランスには国民年金しかありません。しかし、国民年金には年金を増やすしくみが用意されています。主なものに国民年金の任意加入や国民年金基金の活用のほか、付加年金、小規模企業共済などの制度も準備されています。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)で自営業者のための年金倍増計画を明らかにします。
活用しなければ損!自営業者が年金を倍増させるとっておきの方法【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

【オンライン開催(LIVE配信)】6/21(火)開催決定!
インドアゴルフ事業は次なるステージに突入します!
FCビジネスだけではない、新しいビジネス事業投資が登場
「シミュレーションゴルフ事業」投資の全貌 >>>>

資金繰りでも活用できる「共済」貸付制度

ところで、フリーランスや自営業者にとって、もっとも怖いのは資金ショートです。新型コロナによって大きな痛手を被った人も多かったと思います。事業を継続していくうえで、資金繰りは最重要課題です。緊急にお金が必要になった際、すぐに資金調達できると心強いもの。

 

じつは、小規模企業共済には貸付制度もあります。

 

「一般貸付制度」「緊急経営安定貸付け」「傷病災害時貸付け」「福祉対応貸付け」「創業転業時・新規事業展開等貸付け」「事業継承貸付け」「廃業準備貸付け」など、さまざまです。

 

ちなみに、コロナ・ショックでは特別措置として、貸付限度額の範囲で利息0%で借りることができます。借入れ期間は、500万円以下は4年間、505万円以上は6年間です。

 

このように小規模企業共済はメリットが大きい制度です。

 

小規模企業共済の掛金は全額控除になりますが、さらにiDeCoや国民年金基金と合わせれば大きな節税になります。

 

小規模企業共済の満額月額7万円(年額84万円)とiDeCoや国民年金基金の満額6万8000円(81万6000円)。年間合計165万6000円が全額控除になります。

 

所得税が10% ならば、住民税の10% と合わせて20% の控除です。つまり年間33万1200円の税金が安くなります。

 

節税にもなって、老後資金も貯めることができるというお得な制度です。自営業者は社会保障が少ないところが弱点ですが、これらを利用すればかなり強化できます。

 

出典:長尾義弘著『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)より。
出典:長尾義弘著『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)より。

 

長尾 義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員
大学卒業後、出版社に勤務。いくつかの出版社の編集部を経て、1997年に「NEO企画」を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生みだす。著書には『かんたん!書き込み式 保険払いすぎ見直しBOOK』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、近著に『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)などがある。

 

 

↓コチラも読まれています 

 

「給料」が高い企業300社ランキング…コロナ禍でも伸びた会社、沈んだ会社

「不動産小口化商品への投資」が相続税対策になる納得の理由

日米比較にみる、富裕層が「アメリカ不動産」に投資するワケ

これまでの富裕層の「節税」では危ない?…不動産価値の見極め方

富裕層はすでに始めている!不動産営業が見た「資産承継の最前線」